ここの所、ソーシャルゲームに関する記事がはてなブックマークを中心に話題になっている。無料のゲームが1000億円近く稼ぐ。GREEやモバゲーに代表されるようなソーシャルゲーム企業。粗利益率が50%を超えるというのだから、その高利多売ぶりはすごいと言えるでしょう。今回は、そんなソーシャルゲームヒットの理由について書こうと思ったのですが、何度も同じ内容は面白くないので、逆の立場、つまりDSやPSPに代表される非ソーシャルゲームについて語ろうと思います。つまり、ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足posted with amazlet at 12.01.22深田 浩嗣
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何故、FF・ドラクエに5000円払えずソーシャルゲームに5万円払うのか?
という事です。
これは前々から疑問に思っていた事です。何年という歳月をかけて製作された大作ゲームよりも、数ヶ月という短期間。それも圧倒的に少人数で製作された「釣りスタ」や「怪盗ロアイヤル」、そして「ドリランド」といったソーシャルゲームという媒体に人は惹きつけられるのか?ここに疑問点が浮かんできます。PS3で発売された「FF13」は制作費が36億円と言われている。初回の出荷枚数は180万本。金額ベースでは160億円の売り上げになる。モハゲーの主力タイトルである「怪盗ロアイヤル」。国内の利用者数は1000万人と言われているが、これにソーシャルゲームの平均課金金額である3000円を換算すれば300億円の売り上げになる。(※あくまで推測)もはや、ゲームの代名詞はソーシャルゲームに取って代わられたのかもしれない。
●1回遊んだら終わりの従来ゲーム
従来のゲームはラスボスを倒せば終わりでした。それこそ、「マリオ」のピーチ姫救出、「FF」「ドラクエ」のように、ステージをクリアする事で完結するゲームだった。しかし、レベルをある程度まで上げる。ラスボスを倒せば用済み。中古ゲーム屋に売却するか箱の中に眠らせるかだった。FFを1回クリアする人は多くても10回連続でクリアする人は少ないだろう。ここに、ソーシャルゲームと従来ゲームの違いがあると思う。そのため、任天堂やスクエニといった会社は定期的に新作をリリースする事で収益を上げている。レベルファイブの「レイトン教授」や「イナズマイレブン」のように、いかにヒット作品を生み出してゆくか。それが収益を大きく左右している。逆の意味で言えば、ヒットが出せなければ、会社の経営は傾くことになる。最近の新作ソフトにシリーズ物が多い理由もそれだと思います。
ソーシャルゲームの中毒性の高い点はランキングの上位に食い込みたいという競争本能をくすぐるものだ。たとえ、全てのアイテムをGetしたからといって完結するものではない。その中でチームがある。携帯の中に社会があるのだ。社会の頂点に立つこと。そのために数千円、時には100万円をつぎ込むのだ。
●何故、FF・ドラクエに5000円払えずソーシャルゲームに5万円払うのか?
時代が変わったかもしれない。僕らの世代「スーパーファミコン」の時はゲーム機といえば任天堂が独占していた。その後、ゲームボーイのポケモンが圧倒的人気を誇っていくわけですか、ゲームをする=ゲーム機を買う+ソフトを買うというのが当然でした。しかし、ソーシャルゲームは既に持っている携帯を利用する事そして、オンラインでゲームをプレイする事で「ゲームを買う+ソフトを買う」という旧来の常識をぶち壊したわけです。ソフトが0円(※一部有料)で遊べる事、課金アイテムにお金を多少払ったところでPS3やWiiに比べれば圧倒的に割安で済んでしまう。
そして、もう一つ考えられるの家にゲーム機が無い層の登場です。今までゲームをプレイする全ての人がゲーム機を持っていました。しかし、携帯&スマートフォンさえあればプレイできるゲームの登場で旧来のゲーム会社(任天堂やソニー)のビジネスモデルを破壊しています。FFやドラクエに5000円払えず、ソーシャルゲームに5万円誓うのか?それは以下のような仮説が成り立つと思います。
・ゲーム機購入の必要がない。
・隙間時間でプレイできる。
・ソフトを購入しなくていい。
今後、旧来のゲーム会社の巻き起こしが起きるのか?僕の中では否定的です。ソーシャルゲームの強みは圧倒的な母体数です。つまり、1億台の携帯全てが顧客になる可能性があるという事です。WiiやソニーのPS3やWiiがいくらヒット商品と言えども普及台数は数千万台が限界です。その点て言えば、モハゲーが横浜ベイスターズを買収した理由も頷けます。不足する30代の顧客をモハゲーに呼び込むための戦略ですね。
さて、本題の何故、FF・ドラクエに5000円払えずソーシャルゲームに5万円払うのか?ですが、結論から言えばFFやドラクエが幾ら高画質なゲームになって進化しょうが顧客とっては魅力がないと思います。先日、ソーシャルゲームに関する否定的な記事を書きました。端的に説明すればソーシャルゲームの問題点は「携帯が進化しない」という事でした。逆に、旧来のゲーム会社の問題点は「ハードが進化するという事」です。任天堂の新型ゲーム機「Wii U」においてドラクエの新作「ドラゴンクエスト10」が発売されるそうですが、ここにハードルがあります。つまり、ドラクエの新作をプレイするためには、新型のゲーム機とソフトを買わなければならない。
これはテレビ番組の構造とよく似ていますね。Twitterやネットの普及によってテレビ離れがおきている。それと同じで、やる事が増えた=ゲームをプレイする時間が減った。ゲームに没頭する時間が少なくなったという事です。あまり稼動しなてゲーム機に2万円も3万円を出す消費者が何人いるでしようか?それなら、携帯で電車の待ち時間に遊べるソーシャルゲームを選ぶ。至極、当然の行動だと思います。
ハードの呪縛とでも言えばいいのでしょうか?
ハードが進化するほど従来の消費者を排除してゆくのです。それとは逆の現象がソーシャルゲームで起きている気がします。
●ソーシャルゲームにあって従来ゲーム無いもの
しかし、人はソーシャルゲームにお金を払う。何故だろう?GREEやモハゲーの利用者はある意味でバブルのような幻想に浸っている。日本社会が否定する競争。誰もが平等。終身雇用制。年功序列賃金制度。しかし昨今、そのシステムが崩壊しつつある。学校教育においても競争はするな!という方針があるそうだ。昔ならテストの成績が壁一面に貼り出されていた。今の学校では運動会でも順位を付けないそうです。競争はしたくない、しかしゲームにおいては競争万歳!「金を払ったものこそ最強だ!」ある意味でアメリカの競争社会を現実よりも数年先に輸入している。誰もが「ランキングで上位にいたい」「他人よりも強くなりたい」。その人間心理を巧みに演出する事、それがGREEでありモバゲーの最大の仕事であると思う。逆の意味では「ランキングなんてどうでもいい」「他人よりも強くなりたくない」とユーザー思った瞬間、課金ビジネスのバブルは終わりを迎えるのかもしれない。


