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80年代の子どもたちを熱狂の渦に舞い込んだ伝説の「ビックリマンチョコ」が2月21日に復活する。チョコにおまけのシール。Yhaooオークションで高値が付くなど今なお人気の高いビックリマンですが、関東地区限定で発売される。気になる価格は84円。当時は30円で販売されていた事を考えると、かなりの強気の価格設定が頷ける。当時は30円だったんだから、また30円で発売されればいいじゃん!という声も聞こえてくる。しかし、その裏には84円にしなければならない嘘のようで本当の理由があるのです。

僕はビックリマン初代世代ではなく、ビックリマン2000シリーズ世代だったと思う。当時の価格は50円。84円と比べるとまだ子どもでも手軽に買える。100円で2個買える計算だ。チョコの値段が上がったのか?などの憶測も耐えない。表向きはシールが豪華になったからという理由らしいが、本質は別の所にある。それは今から遡ること23年前。1988年の事だった。公正取引委員会からこんな指摘を受けた。
公正取引委員会は1988年、ロッテに対してシールの価格差を無くす、種類毎の混入率を均一にする、特定のシールに価値が出るような広告をしない、という3つの自粛案を出した。ロッテはこの指導に従い、全シールの価格差を3円前後に抑え、ヘッド、天使、悪魔、お守りの割合を25%均等に振り分けた[要出典]。そのため今までキラキラと光っていたホログラム仕様のヘッドは地味なシールとなり、ヘッドが当たる確率は悪魔と同じ割合にまで引き上げられた。当然の結果として、レアカードであったヘッド、ひいてはカード全体の価値が暴落し、一気にファンが離反するという事態となった。

ビックリマン - Wikipedia
子どもたちが競って集めていたレアカードのブランドを壊すほど大きな衝撃だった。やっぱりレアがレアである事がビックリマンチョコのブランドを維持していたのだと思う。最盛期には100億円近い売り上げがありましたが、ブーム低迷後、売り上げは40億円に減少しました。

同じ事は、ペプシのおまけにも言える事です。当時、ペプシマンやスヌーピーのおまけが付いていた時代がありました。コカコーラがファイナルファンタジーのフィギュアをおまけに付けていた時代(集めていた人も多いと思います。)が、公正取引委員会からの要望で中身が見える形での表示を勧告されました。2011年の12月から始まったペプシネックスのおまけ(ワンピース)などは、全て中身が見える状態で発売されています。

ビックリマンチョコに話を戻しますが、ビックリマンは2005年に一度復刻しています。当時の価格が確か80円ちょっとだったと思います。やはり価格の関係か子どもの減少から知りませんが、社会現象にはなりませんでした。しれっと復刻してしれっと終わった。この年、景品表示法が改正され、中身の見えないビックリマンシールのようなものは「景品」扱いになり、このような場合、価格の2%以下にしなければ行けないとの決まりができました。シールの原価は不明ですが、仮に30円で販売していた場合のシール原価の限界は…。

30円の2%=0.6円という事になります。
50円の2%=1円という事になります。
84円の2%=1.6円という事になります。


ブーム全盛期から数年が経ち、チョコが大きくなったり、チョコの原料であるカカオの原料が高くなっているそうです。1万円札の原価が21円70銭という事を考えれば、ビックリマンシールがそれぼと高い原価ではないと思いますが、やはりチョコの原価上昇が響いてるのでしようか?150円前後の板チョコの製造原価は、約11円という事を考えれば、30円で販売しても十分に元に取れそうなものですが。【要出典】

個人的な見解ですが、30円で販売ではない理由は販売数にあるのだと思います。当時、年間4億個を売り上げていたそうですが、現在の少子化を考えれば30円で在庫を抱えるリスクよりも。84円で在庫リスクを軽減させた方が良いとロッテ側は考えたのだと思います。大人をターゲット、高品質少量生産で利益確保。ある意味ではえげつない方法ですが、ビジネスモデルとしては納得できる方法ですよね。薄利多売ではなく高利多売ですか…。

初代ビックリマンが30円
     ↓
ビックリマン2000が50円
     ↓
2012年発売のビックリマンが84円

これは子どもの人口分布から考えても納得できる価格ですね。

30円で販売して利益が出ていたものが84円で販売される事に不快感を抱く往年のファンも多いでしょう。「84円じゃ子どもが買えないじゃないか!」という意見もあるようです。しかし、今回のターゲットは当時を懐かしむ大人という事になってまいす。今までのシールよりも高品質なエンボス加工(クレジットカードのようなでこぼこのあるもの)になるようで、ある程度の配慮はされているようです。シールだけ別で販売すればいいじゃん!という考え方もあるますし、ポケモンのデコキャラシールのように100円単位の価格設定もあり得たと思います。しかし、チョコとセットだからこその多チャンネル販売であり、チョコとセットだからこその楽しみっていうのがありますよね。販売元のロッテが悪なのか、改正した国が悪なのか。やはり、子どもが買ってこそのお菓子であると、僕自身が考えます。

ガリガリ君が64円という事を考えると高いかな?
でもむしょうに、あのチョコが食べたくなる時ってありますよね。