くまのプーさん ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 (2012-02-22)
売り上げランキング: 52

ピクサーが誇る名監督「ジョン・ラセター」製作という事で、いそいそとGEOでレンタルしてきました。ジョン・ラセターと言えば言わずと知れた「トイ・ストーリー」の生みの親でもあります。そんな名監督が挑む映画がディズニーが誇る世界的名作である「くまのプーさん」。ウォルト・ディズニーもミッキーに並ぶぐらいに愛していて、拘りがあるキャラクターだそうです。そんな作品に現代のウォルト・ディズニーであるラセターがどんな脚色をするのか、かなり期待してみました。率直な感想としては「いいね!」です。オリジナルの良さを活かしつつ、現代的な着色もあり、これぞディズニー作品だ。という仕上がりになっています。

ある意味でこの作品自体が挑戦的だと思う。
もしこの作品が失敗すれば興行的だけでなく、ディズニーランドでのプーさんグッズの売り上げにも影響してしまうからだ。
のんびり屋でくいしんぼう、はちみつが何より大好きなプーさんは、いつものように腹ペコで目覚めます。自分の家のはちみつが底を突いていたことを知り、はちみつを求めて家を出ます。
100エーカーの森にはティガー、ラビット、ピグレット、カンガ、ルー、イーヨー、そしてクリストファー・ロビンらが勢ぞろい。
でも、イーヨーが尻尾を無くしてしまって元気がありません。クリストファー・ロビンの提案で、「イーヨーのしっぽを探すコンテスト」をすることになったプーさんたち。みんなイーヨーの尻尾の代わりになるものを色々と集めてくるのですが、どれもしっくりきません。
そんな中、クリストファー・ロビンが書置きを残していなくなってしまいます。そこには「でかける。いそがしい。すぐもどる。」と書かれていたのですが、オウルがこの文を読み違えてしまい、“スグモドル”という名の怪物がロビンをさらった犯行声明だと思い込んでみんなに知らせたから大騒ぎに!ただちに森の仲間たちが集結し、クリストファー・ロビンを怪物から救い出すための騒々しい探索が始まります。ただ、はちみつを見つけようと出かけただけだったプーさんでしたが、なんとも忙しい一日になってしまったのです。
ディズニー作品としては満点を付けてもいいぐらいです。しかし、ピクサーの名監督が作った作品としては驚きは少なめです。もっと現代的に「トイ・ストーリー」で描かれたおもちゃのように、プーさんの心の闇を表現したり現代へのアンチテーゼ的なものがあるのかと期待はしていましたが、そういうのは一切なしですね。100エーカーの森の中で全ての出来事が完結します。ウォルトが愛した原作に忠実。それがプーさんの良さなのかな?ハチミツのつぼに頭がハマって取れなくなるプーさん。自分で掘った穴に落ちてしまうプーさん…。それが愛らしい。

ディズニーのキャラクターはそれぞれが愛らしい。
これがディズニーでなかったらただのおバカアニメだろう。「すぐもどる」を落とし穴に入れるために思い思いにおもちゃや家具などを配置する面々がかわいいのだ。ストーリー的には何てことはない。興行的には不作でも先日鑑賞した「劇場版こち亀」の方がよっぽどハラハラした。かといって、つまらないのか?と聞かれれば答えはNoだ。

今回最強の敵となる「すぐもどる」という敵。元々はオウルの読み間違い、ちんちんかんから始まるが、普通から考えれば、子ども騙しも良いところだ。しかし、それがディズニーの魔法と600ワットの電子レンジに3分かけるだけであら不思議。(笑)子どもは勿論のこと、大人も子どもに戻ったように楽しめてしまうのだ。まさに、ディズニーマジック。

子ども向けのアニメという事、時間が63分と丁度良い事もあり、とても楽しく観る事ができました。ミュージカル的な要素あり、笑いありの63分間はとても面白い作品ではあります。

プーさんのハチミツ中毒は相変わらず。ティガー、ピグレット、クリストファー・ロビン、いつもの面々がいつもの通りに、ちょっとしたトラブルを起こします。くすくすの連鎖が巻き起こる。ジョン・ラセターも考えたんだと思います。新しいプーさんを作るか、従来の系譜を継承するのか?でも結果的にプーさんはプーさんのままで良いと思います。環境破壊でハチミツが取れなくなったんだとか、風船に乗って旅をするプーさんとかは見たくないですよね。ハチミツ中毒でいつもお腹を空かせているプーさんが僕らの求めるプーさんなのですよ、たぶんね。この作品は子どもと一緒に鑑賞する事を強くお勧めします。観終わった後、親子で会話をしてみしてください。それが、ウォルト・ディズニーが生涯追求したものなんだと思います。

■ひと言映画評。

エンドロールが終わっても止めないで。エンドロール開け、秘密のシーンがあります。