絶望の国の幸福な若者たち
古市 憲寿
講談社
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「絶望の国の幸福な若者」という本を読んでいて、思った事をつらつらと書いてみょうと思います。

今の若者は幸せ? 20代の70.5%が現在の生活に「満足」と答える | ニコニコニュース
「ユニクロとZARAでベーシックなアイテムを揃え、H&Mで流行を押さえた服を着て、マクドナルドでランチとコーヒー、友人とくだらない話を3時間、家ではYouTubeを見ながらSkypeで友達とおしゃべり。家具はニトリとIKEA。夜は友人の家に集まって鍋」

 若者たちは、それほどお金をかけなくても、工夫次第でそれなりの日々を送ることができるのです。すべてが当てはまらなくても、「確かに」と思った人もいるのではないでしょうか。
こういう話しを老人や団塊の世代の人に言うと「最近の若者はけしからん!」論に移行するんだと思うんだけど、ここは声を大にして言いたい事がある。「あんたらも、欲しいものがあったから頑張ったんでしょ!」という事だ。その昔、三種の神器という言葉が流行った時期がある。それはうーんと昔…でもないけど、映画の「ALWAYS 三丁目の夕日」の頃。三種の神器とは「白黒テレビ」「洗濯機」「冷蔵庫」の事。今のちびっ子にとっては考えられない話かもしれない。冷蔵庫がなければ食べ物が腐っちゃうじゃないか!洗濯機が無くてどうやって洗濯するの?…などと思うのは当然だろう。

今で言うところの、「スマートフォン」「液晶テレビ」「ニンテンドー3DS」みたいなものだ。当時の価格で白黒テレビは月収の20倍もしたらしい。「ALWAYS 三丁目の夕日」の映画の中でも描かれていたが、ある家がテレビを買うと近所中の人が見物に来たらしい。街頭テレビなんて言うのが存在していた時代が僕らみたいな若者には想像できないような世界だ。

デジタルネイティブならぬ、テレビネイティブ世代だからね。(笑)

で、話を元に戻すと、今も昔も働く動機とか幸せの尺度っていうのは、あまり変わってないのではないかと思うのです。結局、自分で稼いで欲しいものを買った時が幸せみたいなね…。高度経済成長期(ALWAYS 三丁目の夕日)の頃…人々は何故、がむしゃらに働き頑張ったのかと言えば、「テレビが欲しい!」「冷蔵庫が欲しい!」「洗濯機が欲しい!」というような思考ではないか。今で言う「iPhoneが欲しい」「iPadが欲しい」と対して変わらないと思う。じゃあ昔の人は頑張って働いて、何故、今の若者は非正規雇用やバイト生活で70%もの人が幸福を感じているのか?僕はその結論を、中国という世界最大の工場に置いている…。中国の安い労働力によって安価な商品が続々と輸入されるようになった。つまり、

幸せのコモディティ化が起こっているのではないか。という事である。
中国から輸入しててるものは商品だけじゃない、幸せも同時に輸入しているのだ。

幸せのコモディティ化と書いた。じゃあ何が問題なんだ…つまりは、別に必死こいて働かなくてもiPhoneだって端末料金0円だし、ニンテンドー3DSだって1万4000円だし、頑張らなくても買えるよ。という事だ。だから、日本人(特に若者)は頑張らないし、幸せなのだ。これが30万円、40万円だったら必死こいてバイトでも仕事でもして買うだろう。(今の日本製品にそれだけの魅力があるかは別問題…)愛着も物凄いものがある。それが、「ALWAYS 三丁目の夕日」の頃の世界だと思う。昔の若者も今の若者とそう変わりないと思う。

今の若者が切実に必要なのは、携帯の月額料金かスマートフォンの利用料金くらいだろう。別に起業したいとも思わないし、大企業に勤める必要なんてない。結婚もしないし、子どももいらない。親と同居としているからマイホームだって不用。買い物はAmazonで済ませるからマイカーだっていらない。僕のTwitter調査によれば、最近の若い人、特に10代などは少年ジャンプに連載中の「こち亀」を読まないらしい。何で、あんなにお金に興味があるの?両さんの金儲け主義が理解できないのかもしれない。「ONE PIECE 」の勝利・友情・努力には共感できても「こち亀」には共感できない。それが今の若者なのかもしれない。えっ僕?こち亀大好きですよ!!(笑)

製品が圧倒的に安く購入できるようになった今、若者が欲しいものの第1位が「友達」だと思う。誰かと繋がっていたい、よく「携帯依存症」という言葉がありますが、友達と繋がっていないと不安でしょうがない。今の幸せの表裏一体に「友達がいなくなったらどうしょう?」という不安があるのではないか。お互い、不安を解消するために他愛もないメールをやりとりする。「おはよう」「元気?」「今、何してるの?」とタイプするメール。あれ、今の若者って本当に幸せなのだろうか?

逆の意味で、製品が高価になって、周りから友達がいなくなった時に若者は不安を感じるのだろうか?