板尾創路監督2作目。1作目の「脱獄王」がなかなか評判が良かっただけに、2作目の「月光ノ仮面」も期待してました。しかし2作目にして問題作を作りましたね。比較されるであろう、松本人志監督の「大日本人」「シンボル」並みに独自の世界観が展開されます。はっきり言えば、かなりの問題作をぶち込んで来ましたね。月光ノ仮面 [DVD]posted with amazlet at 12.06.13よしもとアール・アンド・シー (2012-06-06)
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敗戦の痛手から日本が立ち直り始めた昭和22年の満月の夜。とある活気ある町並みに、ボロボロの軍服に身を包み、顔中に包帯を巻いた男(板尾創路)がやって来る。男は客の笑い声に導かれるように寄席小屋へと足を踏み入れ、何とそのまま高座に上がってしまう。どうやら男の正体は、落語家・森乃家うさぎらしい。真打ち目前まで行き、将来を嘱望された人気若手落語家だったが、戦争に召集され戦死したと思われていた。彼の突然の帰還を歓喜して受け入れる森乃家一門・天楽師匠(前田吟)の娘、弥生(石原さとみ)。将来有望なうさぎと結婚の契りを交わしたかつての恋人である。ところが男はすべての記憶を失くしていた。かつてうさぎが使っていた部屋に住み森乃家一門としての生活を始めたものの、男の口からは何も語られない。だが、自分が書き残したという帳面を受け取った時、不意に十八番だった古典落語“粗忽長屋”を呪文のようにつぶやき始める。まもなく、男は森乃家小鮭という新たな芸名で高座に復帰。客も拍手もまばらだったが、やがてその個性的な芸風が人気を集めていった。そんな折、もう一人の男・岡本太郎(浅野忠信)が戦場から帰ってくる。その姿を見て、激しく動揺する弥生。戦地から舞い戻ったふたりの男。ひとりの女。闇夜に輝く月。彼らの数奇な運命のゆくえはいかに……。顔中に包帯を巻いた男(板尾創路)、と本物の岡本太郎(浅野忠信)を間違える場面。包帯を巻いているからといって似ても似つかない2人を間違うだろうか?その時点で話は破綻しているような気もする。弥生が包帯を巻いた男(板尾創路)と抱き合うシーンがあるのだが、そんな名も顔も知らない相手と、そんな事ができるのだろうか?
あらすじ 解説 月光ノ仮面 - goo 映画
無表情で寡黙を保つ。戦争で心を無くしてしまったのか。
生きる希望はないけれど、弥生を押し倒したり、本能的なエネルギーは無くしてはいなかった。
落語がテーマの作品だが、基本的に謎の男(板尾)は殆ど喋るシーンが冒頭から殆どない。あらすじにもあるように、落語の名作「粗忽長屋」をつぶやき始める。この落語がこの作品のテーマを代弁しているのだと理解した。簡単に説明すると、身元不明の死人に間違えられた熊公が、死人を自分だと勘違いしてしまったさまを描いた古典落語の演目の一つ。要所要所にこの落語のオチが盛りこまれている。
本物のうさぎが戦地から戻るが、喉を負傷しているため声がでない。その代わりとして包帯の男が高座に上がる事になる。ここまではまぁストーリーとしては理解できる部分ではあります。
ただ、落語の作品かと思うと、突然、地下に穴を掘り出したり、何故か、タイムスリップしたドクター中松が登場するなど不可解な場面が多々ある。2人のうさぎ、遊女と掘ってたトンネルの終わり方の謎。最後の最後、観客をマシンガンで次々と殺してゆく「カ・イ・カ・ン」のシーン。観客は皆、笑って死んでいるのだ。ここに板尾監督の込めたメッセージがあるのだろうか。最後に人力車に揺られる男の微笑み、落語「粗忽長屋」には「抱かれているのは確かに俺だが、抱いている俺はいったい誰だろう?」というオチが付いている。結局、誰なのかわからないオチだったのか…。
月光ノ仮面2があるなら話は別だが。(笑)
ジャンルに分別できないような板尾ワールドの世界観が展開される。
こういう作品は賛否が分かれるだろう。「何故、板尾ワールドが理解できないのか?」「こんな、つまらない作品を作りやがって!」の2種類に分かれると思う。しかし金を払っている以上は何かしら完結に持っていくべきだったと思う。松本人志監督の「さや侍」はコメディ要素を含めつつ、完結した作品になっていた。この作品もある程度の完結をしていれば評価できたのだと思う。いゃあれで完結しているのだとしたら、それはそれで観客を裏切る事にもなるのではないだろうか。
【ひと言映画評】
月光ノ仮面。仮面を包帯と捉えるなら、月光は陽ではなく陰なのかもしれない。
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