前もって説明しておくと、「黒澤映画」ではなく森三中の黒沢かずこ主演の「クロサワ映画」という題名の映画です。クロサワ映画 [DVD]posted with amazlet at 12.07.04よしもとアール・アンド・シー (2011-10-26)
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森三中の黒沢かずこは、メンバーの大島美幸、村上知子に出遅れ、一人だけ女の幸せを逃していた。そんなある日、パーティー会場で黒沢のファンというイケメン俳優・渋江譲二が声を掛けてくる。降ってわいたような出会いに舞い上がる黒沢と渋江は急接近! 黒沢はアラサー独身女の代表という汚名を返上するかに見えたが……。簡単に物語を説明すれば、森三中の黒沢かずこが初めての恋に落ちるという物語。基本的にほぼ全てのキャストが実名で登場している。フジテレビでバラエティーを担当する渡辺琢が監督を勤めた。吉本製作という事で、吉本芸人さんがほぼ実名で登場している。個人的に、この作品でよかった点は、プロットがとてもシンプルという事だ。オアシズの三浦さん、大久保さん、椿鬼奴さんなどお馴染みの女芸人軍団が登場するわけですが、一切、テーマがありません。黒沢が恋に落ちる映画です。「森三中の黒沢が恋愛映画だって?そんな物作りやがって!」という方は意外と楽しめるかもしれない。結局は、夢落ち的なラストを迎える映画なんだけど、ああ芸人さんの世界ってこういう事なのね。という結末が描かれている。男の芸人はモテるが、女の芸人はモテないという一種の常識を打ち破る作品かもしれない。普段からバラエティーを観ている人にとっては「ほらほら、やっぱりね」という納得感がある。
シネマトゥデイ
この作品の魅力は何んと言っても配役だろう。黒沢かずこをキャスティングした時点で、脚本や監督冥利に対するハードルが極端に低い。何を書いても、それなりの形を作れば成功だという事です。女性としては異性に惹かれる気持ち、携帯アドレスを送る時のようなドキドキ感を擬似体験できる。赤外線でアドレスをやりとりする心のわさわさ。素敵な男性と出会って、恋に落ちる。それはまさに、白馬の王子様。そういう恋愛を期待しているのかもしれない。しかし現実は、モテない女同士が集まって恋愛の愚痴を語る。ブスに生まれた時点で社会的にハンディを背負っている。白馬の王子様に出会いたい。そういう空想や理想が形にかっている点が面白い。恋愛映画としても楽しめるし、コメディとしても楽しめる。エンドロールに流れるシーンがあるが、それが凄くうそ臭い。それが凄く残念だった。
ある意味で壮大なコント作品なのかもしれない。随所に笑いのポイントがあり、最後まで飽きずに観る事ができました。やっぱり女芸人は女芸人なんですよね。(笑)