今、一番影響力のある人は誰だろう?勿論、国家の長である総理大臣である野田首相は影響力がある。しかしメディアなどで注目を集めている人物が1人いる。それは大阪維新の会代表であり大阪市長でもある「橋下徹」をおいて他にはいないだろう。時期衆議院選挙では100議席は硬いのではないか?との憶測もあるが、彼の魅力はなんといっても発言力だ。アメリカにオバマあり、日本に橋下徹あり。かつてヒトラーという人物がいた。彼もまた演説の天才だった。今回は、そんな独裁者のスピーチで行われている7つのルールを紹介してみょうと思います。

これは政治のスピーチのに限らずビジネスにも応用できる点が多い。

●人の心を動かすためには3つの黄金のルール。

人を動かすスピーチを行う上で、独裁者として人の心を動かすためには3つの黄金のルールというものが存在している。ピクサーの映画哲学のようなルールだが、全てはここを前提に進行していく。
1.何かが欠落した、もしくは欠落されせられた主人公。
2.なんとしてもやりとげねばならない遠く険しい目標・ゴールを目指して。
3.数多くの障害・葛藤・敵対するものに立ち向かう。
というものであります。

●独裁者「橋下徹」に学ぶ人を動かすスピーチを行う7つのルール。

1.一人称を「僕」にし、無駄な敬語は省く。

通常、政治家が使う一人称は「わたし」「わたくし」が多いと思います。
「わたしに清き一票を」なんてフレーズを聞いた経験のある方も多いと思います。しかし、橋下さんは無駄な敬語使わずに、他の政治家とは一歩外れた位置にいるのが特徴です。

2.みなさーんと何度も呼びかけて連帯感をつくる。


橋下さんの演説では「みなさん」という呼びかけが非常に多いです。ここぞと言う場面では「みなさーん」と伸ばして、聴衆の方をきっちり見る。同じ言葉を連呼する事で回りに自然と一体感出てきますし、話にも「自分も関係あるんだ」といった当事者意識を持たせる効果があります。会議などでも連帯感を作るために、「みんなで」「みなさんと」といった表現を使えば、プロジェクトに一体感が生まれます。


Speech / pierret_christian



3.3つ並べる。


橋下さんは言葉を3つ並べることが多いです。これは3つに絞ることで歯切れの良いフレーズになにるのは勿論のこと、聞き手の頭の中にも覚え易いフレーズとなります。

「ヒト・モノ・カネを大阪に集める」
「医療・福祉・教育を充実させる」
「ひとつにアジアとの競争。ふたつに関西の視点。みっつに住民に近い基礎自治体」
「世界からヒト・モノ・カネ・企業を集める」

これは過去の有名な演説にも使用されている方法です。有名なフレーズとしてはアメリカのリンカーン大統領のゲティスバーグ演説における「人民の人民による人民のための政治」が有名です。企業でもこの方法をキャッチコピーに利用している企業も多く有名なところでは、集英社が発行する「少年週刊ジャンプ」における「友情・努力・勝利」といったものがあげられます。


Speech Nick Clegg 2 / Liberal Democrats


4.サウンドバイトで心にかみつく。

サウンドバイトとは簡単に説明すれば、わかりやすく刺激的な言葉を並べるプロパガンダの一種です。テレビで見る橋下さんの発言の中にも今や代名詞となっている有名なフレーズが幾つかあります。

「大阪都構想」
「東京と大阪2つのエンジンで日本を引っ張る」
「大阪市役所をぶっ壊す」

これは自民党の小泉元首相も多用している方法です。

「自民党をぶっ壊す」
「聖域なき構造改革」
「構造改革なくして成長なし」
「郵政民営化」

この方法の特徴と1回ではなく何度も言うことで説得力が何倍にも膨れ上がることです。会社でも目標をコンパクトにまとめて発信する事で言葉に説得力が生まれます。この方法で有名な経営者と言えばユニクロの柳井社長ではないでしょうか。「2020年までに売り上げ高5兆円を目指す」「民族大移動」「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」なとどいったフレーズが有名ですね。

5.実施する政策が歴史的大事業だと思わせる。


橋下さんは自身の行う事が歴史的大事業。例えば、「大阪都構想」が日本を変える歴史的な案件である事を聴衆の前で説明します。
「歴史をひもとけば、市民革命もパリという一つの地方から、アメリカの独立戦争も一つの地方から、辛亥革命もひとつの地方から、明治維新もひとつの地方から、大きな改革が始まったんです。大阪府民の皆さん。まさに今この時、この大阪から、日本全体の仕組みを変える大きな動きをつくりだす時がやってきたんです。」
歴史的な偉業に加担できる。これは橋下さんのファンでなくても当事者になりたいという思いがあるはずです。ソフトバンクがボーダフォンから携帯事業を買収した時、誰もが失敗を予想しました。しかし、孫社長は携帯事業こそがソフトバンクの未来を担うと大きな声で言っていました。結果、今や売り上げ高3兆円を越える巨大企業となりました。孫社長の熱弁を聞いて、僕らも歴史を変える事業に参加したいと思った社員も多いはずです。


Barack Obama, pictured during the Nobel Peace Prize speech / BlatantWorld.com



6.聴衆を自分たちの側に巻き込んでいく。


橋下さんは演説で聴衆を自分たちの側に持っていと事が非常にに上手いです。
「みなさーん、国の仕組みを変えること、140年前の明治維新以来誰もやったことないこと。この大阪の地から皆さん、いっぺ挑戦してみませんか?」
有権者は時には敵になる場合もある。しかし、みかたになればよきサポーターとなってくれる。TwitterやFacebookで自発的に口コミを広げてくれる。1人の政治家の力ではどうにもならないが、これが10人、100人、10万人と増えていけば、それだけ強い組織、そして連帯感が生まれます。この手で大阪を変えられるのなら府民、国民は無償の力を注いでくれます。

会社でも顧客を自分たち側に巻き込んでいけば、自然と商品は売れるものです。逆に、顧客の逆鱗に触れればたちどころに企業のイメージはダウンしていきます。決め細やかなサービスが今は求めてられているのかもしれません。

7.一度チャンスをくださいとお願いする。

普通の政治家なら土下座でもして「清き一票を私にお願いします」といったステレオタイプ的なお願いをするが、橋下氏はそんな使い古された言い回しは使わない。あくまでも有権者のために、自分が国や地方を変える、だから力、チャンスをくださいとお願いするのです。
「申し訳ないけど、人柄はどうかわかりませんが、必ずヤルと言ったことは実行する。この橋下徹と松井一郎に、一度チャンスを与えてください」「大阪都構想で、必ず、このなんばの地を冠たる拠点としていきますので、大阪維新の会、ぜひお力をお貸しください」
これはかのヒトラーも使った手法ですが、お願いではなくチャンスを我々にください。という言い方が妙ですね。会社でも企画のプレゼンなどでも、「お願いします」ではなく、「絶対成功させるので、チャンスをください」の方が説得力があります。勿論、その背景があってこそですが…。


Nick Clegg speech 03 / Liberal Democrats


●まとめ

やっぱり、橋下さんは言葉の使い方が上手いなー、と思わざるおえませんね。言葉の魔力、そして力は偉大です。会社や仕事関係でもやはり言葉の力を巧みに利用した人が富みや名声を手に入れているような気もします。