今の大学4年生というと、大手は既に内定も出ていますしインターンシップも終わっている頃ですが、現在、大学2年生や3年生。次の就活生に向けて、この本は参考になるのかもしれません。就活と言えば、会社訪問や就職セミナーなどで社員やOBから情報を手に入れて、就職活動を行うのが普通でした。会社の内実は入ってみたいと分からない。実際に就職して数ヶ月働いて、「あれ?思ってた仕事と違うぞ…」と思う人もいるかと思います。しかし最近では、とくに東京を中心として入社前に会社での仕事を体験する「インタンーシップ」という方法が人気を集めています。最近でいえば、「GREE」や「モバゲー」などの人気企業では実際の会社生活に加え、メンバー数人とチームを組んで実際の企画提案を行う。といった事が行われています。働いた時間、日数によって小額でありますが給料も支払われます。
本書「インターンシップで志望の業界・職種に内定する方法」では、インターンシップの良さを就活生に知ってもらうという趣旨で話しが展開されます。簡単に説明すれば「インターンシップに参加した方が就職を有利に進めるられる」という事に尽きるかと思います。これは企業の担当者と仲良くなって就活を有利に進めようといったものではなく、実際に仕事を体験する事で、入社した時の齟齬をなくそうといったもの。「若者はなぜ3年で辞めるのか?」といった本がベストセラーになったように、入社してみて本当の実態が分かった。最近で言えば、就職した会社がブラック企業だった!という事が入社した後で判明するケースもあります。何故、インターンシップが就職を有利に進めるのかというと、インターンシップ先での先輩と親しくなって仕事のやり方を教えてもらったり、敬語や話し方を注意して初めて自分の欠点に気付いた、という事が多いからです。本書ではインターンシップではノートに気付いた事、自分がダメだった点をメモするように薦めています。何個かのインターンシップが終わった後、就活の最後にそのノートを読み返した時、自分の欠点と長所や短所が一目で分かるのです。
例えば、自分は意見をまとめるのが苦手だとインターンシップで分かったのなら、就職試験の前までにそれを直せば良い。とにかく、インターンシップの魅力はなんといっても実際の社会を経験できる事にあります。短いものでは数日。長いものでは数ヶ月の期間インターンシップとして活動する事で自分に自信を持つ事ができます。勿論、有名企業、人気のインターンシップにはそこで自己アピールや面接があるわけですが、それに参加する事にも成長があると思います。ただ一つ言えば、本書はインターンシップの入り口であって、具体的にインターンシップに受かる方法であったり、就職活動を有利に進める具体的なテクニックが書いてあるわけではありません。あくまで読者にインターンシップの良さを伝える事を最大の目的としています。
この本をきっかけに、色々な就活本を読むのもいいのかもしれませんね。
インターンシップというとなんとなくタダ働きのイメージしか湧かないのですが、ずいぶんインターンシップに対する考え方が変わってきたんですね。
となるとこの先、インターンシップで働くことすら壁が高くなっていくんでしょうかね。