文章力といえば、誰しもが悩む問題です。
お礼の文章を書く時にはもちろん、仕事でのメールのやりとりなど、現代人なら文章とは、切っても切れない関係にあります。できるなら綺麗な文章を書きたい。誰もが抱えている現代病とも言えるのかもしれません。
こうやってブログを更新していますが、できれば素敵な文章を書きたいという思いが常にあります。そんな時に出会ったのが「文章力の基本」という本です。この本では日常的な文章からビジネス文章までちょっとしたコツで格段に文章がよくなる77のテクニックが紹介されています。全部紹介するのは無理ですが、この中から一部を抜粋して紹介してみたいと思います。
●短く言い切る勇気を持つ
日本人の中では曖昧で言い切らないという文章が主流だそうですが、思い切って言い切った方が文章に締まりが出て説得力のある文章になります。例えばこんな文章です。「従来のコンビニとは一線を画したものであり、20代、30代の女性をターゲット新機軸を打ち出している。」→「従来のコンビニとは一線を画したものである。20代、30代の女性をターゲット新機軸を打ち出している。」このように、「〜のような」「〜みたく」といった曖昧な表現は避けた方がいいでしょう。
不用意に、長く、長く書かないようにすること、それが明確な文章を書くために第一に留意する点です。思い切って句点(。)を打ち、話を1つひとつ言い切りながら、前に進めましょう。
●一度にたくさん運ぼうとしない
文章を書いていて多少なりとも込み入った感じになってしまったら、いくつかの文に分けてみます。そして相対的な重要度を再点検し、主題か外れたものを思い切って省くと、伝えたいことがストレートに伝わります。これも大切なことですよね。先ほどの短く言い切るという項目にも共通しますが、読み手の事を考えた文章。これが文章を伝える上で大切なことなんじゃないでしょうか。
●文の形をシンプルにする
前項では述語は丁寧に書き分けましょうと言いましが、逆に1つの述語ですむところで2つの述語を重ねてしまうと、おかしな文になってしまいます。文の形を複雑にしていいことは何もありません。「誰が誰に何をしたのか」などを表わす文の幹(主語+述語)は、常にシンプルにしましょう。
●読み手に頭を使わせない
文章は、「最後まで読んで考えれば、分かるはずだ」ではいけません。「考えなくても、読むそばからスラスラ分かる文章」が、いい文章です。読む時に頭を使って考えるのが当然だと思うかもしれませんが、それは書かれた事が分かった後の話なのです。文書を読むことは、単に他人の思想の後をたどる受身の作業ではありません。読むことによってあれこれ思いがふくらみ、自分の考えが展開するきっかけを与えてくれるものです。それが文章を読むことの大切さです。
●主役は早く登場させる
書き手と読み手は、少しでも早くその文章の主役を共有するべきです。例えば、ウルトラマンを例にとって考えてみましょう。ウルトラマンが登場するのは地球がピンチになった時です。水戸黄門も同じく印籠を出すのは最後の方です。じらしてじらしてのヒーロー登場。演出的には、ばっちりなタイミングです。しかし、これは超有名作品ができることであって、僕ら凡人の文章を隅から隅まで読んでくれる人なんて、そうそういません。できるだけ早くヒーローを登場させて読み手を納得させる必要があります。
●削れる言葉は徹底的に削る
社歴10年ほどのビジネスマンを対象に文章指導をしていてもムダな言葉を挟みながら、長く、長く書いてしまう傾向をよく見ます。先ほどの主役はなるべく早く登場させるにも通じる部分があると思いますが、文章はできるだけ簡素で短い方がいい。その限られた文字数の中でいかに上手く伝えるかが重要になってきます。
●同じ言葉が続いてきたら、1つにする
ムダな言葉を削るときに真っ先に考えるのは、同じ言葉を重複して書かないことです。「地球環境に優しい住まいとしての条件としては、2つの条件があげられる。」
「地球環境に優しい住まいの条件は、2つある。」
●「という」を削る
「という」という言葉は、しばしば省くことができますし、省略したほうが良くなります。」「○○というお店があります」「○○ということです」など、ついつい使ってしまいますね。確かに、冒頭の「言い切ろう」につながりますが、「人と約束した時間を守る(という)ことを大切にしている」の方が文章がすっきりしているような印象を受けます。
●目に浮かぶように書く
一般に文章は、「理解」と「共感」を求めて書くものですが、抽象化された概念だけで共感を呼ぶことは困難です。人は、頭の中に具体的なイメージを思い浮かべることができたときに、そこに感情移入して共感を覚えるのだと思います。書いている本人の頭の中には当然そのイメージがありますが、それが読み手にはまった見えてこないことを忘れてはなりません。自分が思っていることと、相手が思っていることは違う。これは当然のようで難しい部分なのかもしれません。相手のイメージをどれだけ想像して書く事ができるのか、書き手の手腕が試されるところでしょう。家庭教師や塾の講師では、秀才よりも凡人の方が教えるのがうまいという話もありますが、それに似たようなことなのかもしれません。
他にも77個の文章テクニックが紹介されているので、気になる方は本書を手にとってみてください。