トリセツシリーズで有名な水野俊哉さんの最新刊。「法則」「お金儲け」と続いて、今回は「成功」のトリセツです。成功というと、お金がいっぱい入って美男美女と結婚して、大きな家に住むみたいな事を想像する。しかし、本書で語られている「成功」の定義は少し違う。なにせ、著者である水野さんの経歴がかなりぶっ飛んでいる。ベンチャー企業として華々しい生活。それこそヒルズ族のように、毎日豪遊して朝までお酒を飲む。1日で100万円も使う日もあったそうだ。しかし栄光は長くは続かなかった。仲間の造反で会社を追い出され、借金3億円を抱え無一文になった。今で言う月9の「PRICELESS」みたいな世界だろうか。その後は、ビシネス書の作家として、またコンサルタントとしても活躍している。年間1000冊を超えるビジネス書を読み、様々な成功法則にも精通している。
幸せとは何なのか?本書ではこんな2つ言葉が紹介されている。
「自分の強みを活かして情熱を注げる仕事につくこと」が最も幸せになる方法。ビジネス書の中には綺麗な言葉だけを並べて「読後の満足感」を最大現に高める本もある。ただ、この本で良かったと思う点は、安直なビジネス書ではなく、健全なビジネス書という点です。その部分で点数は低めにさせて頂きました。やっぱり、「○○すれば○○万円すぐに儲かる」みたいな本は魅力です。読んでいて楽しいですし、読んだ後の満足感も高い。しかし、そういった本に限って2度目は読まなかったりします。古本屋などにも真っ先に売却する対象でしょう。その点で言えば、本書では「成功」というタイトルがあるものの具体的に儲かる方法は殆ど書いてありません。その点では拍子抜けするかもしれません。この本もビジネス書ではなく、ビジネスエッセイという位置づけになっています。
「人生の価値を決めるのは富でも名声でもなく、幸せである」。
僕は、人生の究極の目的は「幸せになる」ことであり、別に「お金持ちになる」とか「異性にモテまくる」必要もないし、ましてや「誰かより優れる」とか「成功する」ことは人生の目的たり得ないと思う。本書ではテーマ毎に以下のような事が書かれています。
1.お金の奴隷から抜け出す。
2.仕事を支配する。
3.時間の檻から脱出する。
4.本来の自分のを探す。
5.人間関係を掌握する。
会社で貰う給料はなんの対価として支払われているのか?それは拘束された時間に対して、ではなく、お客様の笑顔や満足度に対して払われている。「収入を上げたいのなら、あなたが与えている価値と等しい金額を受け取る勇気もまた必要なのだ。この真実に気づけた者から、収入はアップしていく。」
もしあなたが手っ取り早く成功者になりたいとするなら、以下の方法が参考になるかもしれない。
1.「自分のやりたくないこと」を最低10個、紙に書いて眺める。これは様々な成功本に書いてある成功法則の一つだそうです。本書で紹介されている「ビジョナリー・ピープル」という本の中には、こんな言葉が載っている。
2.その次に「自分のやりたいこと」を願望のおもむくまま、ケダモノにでもなったつもりで書いてみる。
個人的な充実感と変わらない人間関係を与えてくれる、そして自分たちが住んでいるこの世界で、自分にしかできない成果を挙げさせてくれる、そんな生活や仕事を、成功という。本書の最後の方で、自分の子どもたちに「サラリーマンNEO」に対して批判的なコメントを言ったり、2度寝の大切さを語ったり、何とか子どもたちをサラリーマンにしないように洗脳しているという部分が微笑ましかった。今のシャープやパナソニックの例を見れば大企業であっても定年まで勤めるのは厳しい時代だと思います。この本は「成功」と付いていますが、正確にいうなら「充実した生活を送る=楽しい仕事を「成功」」と定義するものだと思います。たとえ年収300万円でも自分が仕事に没頭できて、家族と幸せな生活を送れるなら、それは成功だと思います。
「なぜ成功本を読んでも成功しないのか?」「本に書いてある成功法則、全部やったら成功できるのか?」永遠のテーマがこの本で解決するのかもしれません。


