ネタフルのコグレさんの最新刊。最近、電車の中でスマートフォンを使っている人を横目で見ると(おいっ!)、若い人がよく利用しているの「LINE」というサービスがあります。お年寄りの方よりも若い方の方がピンっと来るのかもしれません。日本発で2011年にリリースされてから約2年。全世界で約7000万人。国内でも約3000万人が利用する爆発的な人気を誇るサービスです。「LINE」とは、どんなサービスなのか?簡単に説明すればスマホ版の「スカイプ」のようものです。ユーザー同士で無料の通話やチャットができるサービスです。このサービスの大きな特徴が自分の電話帳に登録されている相手同士での交流という事です。一般ユーザー同士でもIDを交換すれば交流可能ですが、基本的に自分の周りの人間とコミニュケーションが取れることが魅力となっています。女子高生や大学生に聞けば、使っていないほうがモグリと言われるほど。利用者の過半数が10代〜20代を占めているそうです。
利用回数に関しても、全体では「毎日」が37%、「週4〜5回」が17.1%ですが、10代男子「毎日」50%、10代女子「毎日」60.5%で、若者の間では抜群のアクティビティを誇っています。また、その相手も「友人」が86.4%と圧倒的です。
この「LINE」が他のSNSと違う大きな点はアーリーアダプターがいない流行だったという事です。これはキャムズというIT用語でまず専門知識をもった人が先駆者的に使い、それに伴い一般のユーザーが流れてくる。この現象を「キャムズが超えた」というのですが、「LINE」は2012年に入るまでネット通の間ではそれほど普及していなかったそうです。転機が訪れたのは、タレントのベッキーさんを起用したテレビCMが全国ネットで放送され始めた時からだそうです。



ネタフルのコグレさんはこう語っています。
「しかし、ユーザー数が多いというのは正義ですね。話題になっているので久しぶりにインストールし直したのですが、その瞬間から友だちがたくさんいるわけですよ。テレビCMは大正解でした(非IT系の中学時代の友人までいた!)」
一般ユーザーから爆発的な普及をみせる「LINE」ですが、その人気の火付け役はやはり独特の絵が印象的な「スタンプ」と呼ばれるものです。これは実際に使ってみなと分からないと思いますが、利用者から「キモかわいい!」と呼ばれています。ガラケーの絵文字を進化させたもので、このスタンプだけで会話が成立していく独自の文化が形成されるようです。開発元のNHN Japanの舛田さんによると、当初はA、B、C複数のパターンを用意してユーザーに意見を聞いたところ、採用されたCパターンだけ賛否両論の意見があったようです。

爆発的な普及を見せる「LINE」ですが、その普及の裏には収益化に対する壁があるそうです。モバゲーやGREEのようにユーザーから直接課金するビジネスモデルを持っているサービスはいいですが、携帯キャリアのように通信料や通話料で収益を図るモデルとは違い「LINE」はメイン機能である通話と通信が無料です。今のところはスタンプの購入が主な収益源だそうですが、ここから100億円、1000億円稼ぐのは難しいでしょう。もう一つの問題としては、新機能「LINEコイン」や「LINE占い」に関して大多数のユーザーが「知らない」と答えている現状があります。NHN Japanの舛田さんのインタビューによると、「今は収益化よりも投資の時期。ユーザー数を増やす事が大切だ」と言っています。

「LINE」は先駆者である「Twitter」や「Facebook」とは一線を画している点は、交流が他人ではなく「電話帳内の友人」という事になるでしょう。逆に言えば、それが弱点でもあると思います。ユーザーの認識としては「無料で友人と交流できるツール」という認識を植えつけてしまった以上、ここを有料にする事はできません。モバゲーが高音質無料通話アプリ「comm」をリリースしましたが、モバゲー自身、そこでの収益化は狙っていないそうです。喫緊の課題としては「LINEが無料という認識を変えられるのか?」「スタンプが外国人に受け入れられるのか?」の2つだと思います。

巻末にiモードの生みの親でありニコニコ動画の取締役である夏野さんのインタビューなどが掲載されています。結構、鋭い指摘をされていて面白かったです。僕のように、「LINE」初心者にとっては面白い本でしたが、実際に使っている方にとっては少し物足りないかな?という印象でした。