お金持ちの研究というから、長者番付にどんな有名人が載っているのか?どんな方法が稼いでいるのか?ビジネスの極意が書かれている本かと思った。しかし、本書は硬派な本だった。お金持ちを母体に詳細に分析し統計的なデータを提示する。お金持ちの分布。お金持ちの行動。お金持ちの税金。など、取り扱うテーマは幅広い。しかし、長者番付が廃止され、貧富の格差が広まった今、このような本にどんな意味があるのか?少し疑問だった。そもそも、この本のターゲットとは誰のことなんだろう?と思った。
よく、お金持ちと言うと、真っ先に挙がるのは「経営者」「医者」「弁護士」だろう。その中でも「弁護士」は稼げる職業というイメージが定着している。しかし、実際は忙しいだけで普通のサラリーマンと同等か少し上というほどの年収しか稼げないそうだ。医者も似たようなもので、大学病院や病院で働く一般の医者はそれほど稼げないという。医者が稼げるのは、自分で病院などを経営する「開業医」になってかららしい。その中でも眼科や糖尿病といった専門的な分野の医師が高額な年収を稼ぎ出す。その昔のお金持ちと言えば財閥のオーナーが主だった。しかし今や、お金持ちの分類は多様化している。ホリエモンのようなIT起業家も増えている。
お金持ちの分布は以下のようになるらしい。
企業家 33.3%
役員 11.6%
医師 15.4%
芸能人やスポーツ選手 2.2%
弁護士 0.4%
その他 38.7%
お金持ちの税金についての項では、日本の累進課税や相続税の是非について解説している。一部では、お金持ちからもっと税金を取った方がいい。日本税金は世界一高いといわれている。しかし統計を取ってみると必ずしも飛びぬけて日本の税金が高いとは言えないようだ。あまり税金を取りすぎるとお金持ちが海外に脱出してしまう危険もある。
全体を通してみると、丁寧にまとまっている印象がある。ただ、著者がこの本を何の目的で書いたのかは疑問が残った。読み手側にとっても、この本から何を学び取ればいいか消化不良を起こす。今、消費税増税問題が注目を集めているが、お金持ちから消費税へのアプローチを探るといった内容だったらよかったと思う。


