先日の東京都都知事選で最多得票で知事に就任した「猪瀬直樹氏」の本です。前著「決断する力」の評判が良かったですし、新しい知事として、どんな運営を行うのか?その辺について知りたくて買いました。作家としても有名ですが、石原慎太郎に負けず劣らずの口ぶりで、彼の脳内に滞在する国や都政に対する思いを知りたかった。本音で言えば期待はずれ感が漂う。まず、タイトルに「解決する力」とあるが、今まで副知事になって行った事が振り返って書かれている程度。解決はしているが、「力」は無い。それも様々な雑誌からの引用で統一感がない。副知事になって忙しいのも分かるが、できれば書き下ろしを読みたかった。それが残念ではあります。
やはり多くの事が、東日本大震災に対する対応に割かれている。
それに加えて、東京マラソン。電力不足、オリンピック招致と続く。Twitterでのやりとりから始まった東京メトロでの携帯電話の電波の開始について。やはり、この本を読んでいて思った事は国の力は大きい。という事だと思います。石原さんが、衆議院選の出馬会見で「この国は官僚に支配されている」という有無の事を言っていましたが、世界でも屈指の巨大都市である「東京」ですら、霞ヶ関にお伺いを立てないと物事が始まらない。僕は低評価ですが、アマゾンなどを見ると高評価なんですよね。たぶん、非都民である僕と、都民である読者とでは思い入れが違うのかもしれません。63歳でジョギングを始め、65歳でフルマラソンに出場したという話は同年代の方には勇気を与えるでしょう。この本を読んで猪瀬さんについて思った事は、この人は心の中にメラメラと燃える闘志を抱いている人なんだと思いました。まだ分からないですけど、都民の判断は間違っていないのではないか?とも思いました。
次は書き下ろしを期待します。