最近、個人的な悩みが「読んだ本が記憶できない」という事です。沢山の本を読む事はいいと思います。しかし、月に何冊も本を読んでいると「あれ、どんな事が書いてあったっけ?」という事が多々あります。本書のタイトルにも入っている「記憶が脳に定着する速習法」というコピーに惹かれて買いました。「僕にぴったりじゃないか!」って。ただこの本は、いい意味でも悪い意味でも期待を裏切ってくれました。正直に言えば、この本は速読の本でも、大量に本を読める極意が紹介されている本でもありません。本に「速習法」と書いてありますが、本が苦手な人が本を読むための入門書といった感じです。

まず冒頭で、本を読む事で得られる効用が書いてあります。

1.語彙が増えて、多彩な才能が花開く。
2.仕事の知識・スキルがアップし、結果が出せる。
3.プレゼンテーションがうまくなる。
4.欲しい資格が手に入る。
5.想像力・発想力が豊かになる。
6.知識欲が高まり、仕事のテリトリーが広がる。
7.うまくいけば、「本を書く人」になれる。

確かに、本を読む事でのデメリットは少ない気がします。個人的にデメリットを挙げるなら、本代への出費が痛いことと、置いておくスペースが大変だという事です。我々は本を読むというと、何故かかしこまってしまいます。それは娯楽本から経済哲学の本まで。しかし、本というのは自分の知識欲であったり、楽しむために読むものです。本書ではまず難しい本からではなく、入門書や図解の本から手を付けるといいと言います。まず目次やまえがきを読んで、内容が理解できれば読む。それでなければ、その本は読まなくていい。これは書店などでざざっとザッピングする時に使える方法です。本の内容を定着させるために、心かげておきたい3つの事があるそうです。

1.読む前に、自分の知識レベルをつかむ。
2.1回の通読ではなく、「分けて」「繰り返し」読む。
3.「忘れる」のを恐れるな。また覚えればいい。

エビングハウスの忘却曲線という有名な法則があります。これはある無意味な単語を記憶する実験において「20分後には、記憶率が58%であった。1時間後には、記憶率が44%であった。1日後には記憶率が26%であった。1週間後には、記憶率が23%であった。1ヶ月後には、記憶率が21%であった。 」。つまり、人間は意識しなければすぐに忘れてしまう生き物なのです。これを食い止めるためには、記憶があるうちに再度、記憶し直すといいそうです。そうすれば記憶の中に定着されます。「速習法」においての方法は主に3つほどあるそうです。簡単に説明すれば、要領よく読書する方法です。最近の速読本には「目で全体を見ろ」みたいな事が書かれています。それを見るたびに「どうやってやんねん!」とつぶやいている僕ですが、本書では殆ど9割9分が文字で構成されています。たぶん、速読本の中では一番硬派だと思います。ただ、たぶんこの本を読んだだけでは、速読は習得できないと思います。この本は読書初心者が読書に目覚める一因としては最適かとも思います。

最後に紹介されているお勧め本。これだけでも買った価値はあります。

・読む心・書く心―文章の心理学入門
・わかったつもり 読解力がつかない本当の原因
・コリン・ローズの加速学習法実践テキスト
・「知」のソフトウェア
・「できる人」はどこがちがうのか
・本を読む本
・だれでも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法
・あなたにもできるヒプノセラピー―催眠療法
・頭がよくなる本
・じょうずな勉強法―こうすれば好きになる
・上達の法則―効率のよい努力を科学する
・学力を育てる
・『空気』の研究
・失敗の本質―日本軍の組織論的研究
・孔子伝