しかけ人たちの企画術
小山 薫堂 箭内 道彦 片山 正通 後藤 繁雄 堂山 昌司 吉田 正樹 中村 勇吾 嶋浩 一郎 奥田 政行
インプレスジャパン
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各界の著名人が自身の企画術について語るという趣旨の本。元フジテレビで「トリビアの泉」や「笑う犬の生活」などを手がけた吉田正樹さん。「カノッサの屈辱」を手かげた小山薫堂さん。クリエイティブディレクターの箭内道彦さん。果ては、料理人の奥田政行さんなど多岐にわたる。それぞれの企画術に共通している事は、新しいものを生み出す事。新しい事をする事。それを楽しんでいる点だ。心のどこかで「笑顔」というフィルターがふつふつと煮えているといった表現もある。本書の帯には、こんなコメントが添えられている。
その企画は、新しいのか?楽しいか?誰を幸せにするのか?
第1講 吉田正樹(テレビプロデューサー)
第2講 後藤繁雄(編集者)
第3講 中村勇吾(インターフェースデザイナー)
第4講 奥田政行(「アル・ケッチャーノ」オーナーシェフ)
第5講 箭内道彦(クリエイティブディレクター)
第6講 堂山昌司(マイクロソフト代表執行役副社長)
第7講 嶋浩一郎(クリエイティブディレクター)
第8講 片山正通(インテリアデザイナー)
第9講 小山薫堂(放送作家、脚本家、東京企画構想学舎学長)

この本で興味深かったのは、テレビプロデューサーである「吉田正樹さん」の箇所。企画を作るうえで、コンセプトを考えるこんな方法が紹介されています。
企画のコンセプトを「因数分解」して考えてみるんです。

コンセプト=a×(x+y+z)

aは、テーマやその企画にかける思い、原動力やニオイのようなもの。理念あるいはメッセージ性といってもいいかもしれません。カッコのなかのx、y、zは、企画の構成要素ですね。要するに、あらゆる構成要素は、aのテーマや思い、原動力、メッセージによって、輝きを増したり、くすんで見えたりするんです。
企画術の本というと「すぐ○○するテクニック」みたいなものが重宝される時代ですが、ある意味でこの本に書かれている事は、「実践的」です。古今東西の企画屋たちが、自身の経験を元に企画術を語る。今や全ての場所で企画というものが重要視される時代。総企画時代とも言えます。実践不可能なものを可能にする。そのためのエッセンスが盛り込まれているような気がします。ただ、残念なのは、ページ数の関係で「もっと読みたい」のに、途中でカットされている部分がある事です。それ故に、物足りない感じがしました。たぶん本当なら、1人で1冊書けるくらいの濃さです。