最近、若者のテレビ離れという言葉を聞く。「テレビがつまらない」「雛壇芸人の番組が多い」「内輪話の楽屋落ちトークばかりだ」テレビの主な視聴者層である若者がそう思う一方で、お年寄りも似たような感想を持っている。テレビは見ない。スマホとネットがあれば十分に暮らしていける。そんな論法だ。テレビっ子の僕としては、最近のテレビ番組に多少の不満は抱きつつ、中には「面白い」と思う番組もあるので、非常に残念だったりする。本書「テレビ削滅論」では、そんなテレビ業界の現状を振り返りながら、今後のテレビの未来を語る本です。
ずばり著者の言いたい事を要約すれば、
テレビ局を合併してアメリカのように3大ネットに集約しろ!という事に尽きると思います。ここ数年間でテレビの視聴率は約4.4%も下落している。たかが4.4%と思うかもしれないが、約400万人分(関東地区)の視聴者がテレビから離れた計算になる。テレビの収益の大部分はスポンサーからの広告費で賄われている。つまり、視聴率が下がるという事は直接に局の収益に結びつくという事だ。最近のテレビ番組はつまらない。と聞くが、視聴率低下の中でテレビ局が行っているのが「テレビ制作費の削減だ」。番組はつまらなくなった原因が単純に制作費の削減と結びつくのかは疑問だが、やはり「お金のかかったもの=おもしろい」という構図は否定できない部分がある。最たる例が「あるある大辞典」のねつ造問題だろう。色々と言われているが、スポンサーが出した1億円に対して制作費は数百万円だった、というのだから、あのような問題が起こっても不思議ではない。
テレビとネットと言えば思い出すのが、ライブドア事件でしょう。ニッポン放送の株式を大量に取得しフジテレビ乗っ取りを画策した問題です。あの時にホリエモンが声高に叫んだのが「テレビとネットの融合」でした。その昔で言えば、ソフトバンクの孫さん、最近では楽天の三木谷社長がTBSの乗っ取りを画策した。結局、買収が救世主なのかは不透明ですが、今から考えれば一つのターニングポイントだった気もします。ことアメリカでは、ネットで番組が配信されるのは当たり前。日本のドラマがぱっとしない一歩で「24」や「プリズン・ブレイク」といった海外ドラマが若者の間でヒットとなる。やはり、面白いものには金を払う。これが健全な状態なのでしょう。
メディアの役割として権力の監視がよく聞かれます。
これに関して本書では今までのテレビにおける「第4の権力」に加えて、ネットによる監視の目を指摘している。ネットが旧来のメディアを点検し、メディアの情報をネットが二次利用する。
そういった新しい関係が生まれてくる。
でわ本書で著者が最も言いたい事を紹介しょう。つまりは、
「総視聴率」のパイを、民放5局の「総番組数」で喰い合う構図も限界点に達している。このままでは5局のそろい踏みどころか、5局総崩れにだってなりかねない。つまり、「コロンブスの卵」流に単純明快な逆転の発想をすれば、「総番組数」の元になるテレビ局の数を減らすしか、テレビ局の存在意義を全うする手立てはないのである。その上で最後に、「多チャンネル化を否定しているわけてはない。言い換えれば「局を減らす」という事は多チャンネル化の促進である」と綴っている。「マスメディア集中排除原則」などがあって単純な話ではない。詳しくは本書を読んでいただくとして、すごく単純に言うと、「フジテレビ+日テレ」「TBS+テレ朝」みたいな事になる。という事だろう本書では「「3プラス1」、つまり「民放3、NHK1の4大ネットワーク」」という説明がされている。著者の主張を借りるなら、テレビ局は減れば局が強くなって番組の質を上がる。という事になる。
ただ必ずしもそれが正解なのか?というと疑問が残る。80年代、90年代のテレビは面白かったという人がいる。その時代もテレビ局は5局だった。確かに、ネットの無い時代。テレビが広告の王様だった時代だ。最近のテレビがつまらない理由は、単純に制作費の削減が原因とは限らないと思う。別のいい方をすれば、テレビ局員の怠慢だったりする。キー局を減らしたから高品質な番組が増えてメインの視聴者層である若者がテレビに帰ってくる。字で書くのは簡単だが現実的にはどうか?とも思う。「めちゃイケ」面白いし「イッテQ」面白いし「アメトーーク」面白いんだよな。(笑)そういえば、前に読んだ「テレビは余命7年」の中にも数年後にテレビ局が何社か無くなっているという事が書かれていた。これは業界人の間では統一された見解なのだろうか…。
持論を展開するなら、テレビ局は買収された方がいいのではないか?
アメリカだってABCはディズニーの傘下だったりするし、例えばソフトバンクのように携帯という安定的な収入を持つ企業がテレビ局を買収する。その上で新しい番組を作っていけばいいと思う。
僕が著書の主張に同意できなかっただけで、本書はメディアに対する示唆に飛んでいると思います。


