「ポケットモンスター」と言えば、もはや世界的に愛されるゲームソフトです。今のちびっ子は勿論、30代、40代の頃に「ゲームボーイでやったわ!赤買うか緑買うかでめっちゃ悩んだよ」という思い出を持っている方は多いと思います。そんな大ヒットゲームを生み出しのたが「ポケモン」の生みの親である田尻智氏です。本書は対田尻氏、宮氏が談形式でポケモン誕生までのエピソードを振り返るといった内容です。本書のタイトルにもなっている「ポケモンを創った男」という言葉。これがミソだったりするんですよね。僕は最初、ポケモンの制作秘話を語るのかな?と思ってましたが、本書が主に扱うのポケモンの生みの親で田尻氏の半生。今現在、ポケモンを開発している「ゲームフリーク」という会社。これは元々田尻氏が発行していたゲームの同人誌が由来になっているそうです。田尻 智 ポケモンを創った男 (MF文庫ダ・ヴィンチ)posted with amazlet at 13.03.06田尻 智 宮 昌太朗
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本書はある意味で画期的です。本来なら「ポケモンを作った男の企画術」みたいな形で出版すれば甘く見ても10万部は硬い本だと思います。それが、この本ではポケモンを語っているようでポケモンを語らない。300ページを使って田尻氏の半生を振り返るのだから、別の意味ですごいです。本書の中で僕が気になった箇所は以下の文です。
自分がゲームに出会ってなかったころはどうだったんだろうと思ったんです。ゲーム以前に夢中になったものがあるはずで、僕の場合、それが昆虫取りだった。昆虫を捕まえてきては友達に自慢したりして1日を過したなって。結局、ポケモンに流れる血は昔、子どもが昆虫を集めてワクワクしていたような感覚。友達と会話をしていた思い出。開発が進み、虫がいなくなった都会で虫の代わりをするのがポケモンだったりする。ポケモンはゲームのようでいて、ある意味でコミニュケーションツールなんだ…って思いました。だから、ゲームボーイ時代から通信機能が付いているんだと。それは意図したものでも偶然性のものでも関係ない。
対談として田尻氏と同じ年齢なら面白いと思います。
ただ、ポケモンの本ではないと思った…。


