スーパーIT高校生
Tehu 村上 憲郎
角川書店(角川グループパブリッシング)
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日本で一番有名な高校生と言えば、通りがいいのか。appleのアプリ「健康計算機」がApp Storeで全世界3位を記録したアプリの開発者。最近ではニコニコ動画で著名な書評ブロガーである小飼弾氏との対談で注目を集めている。そんなスーパー高校生「Tehu」と、Googleの元日本法人社長である村上憲郎氏が対談したのが、本書である。分量的に言えば、Tehu君と村上さんとの対談が3分の1くらい。残りの3分の2をTehu君で構成させている。今の高校生がどんな感じなのか、iPhoneも無かった僕の高校時代と比べたら激変しているんだろうけど、確実に言える事は見た目は高校生でも頭脳は立派な大人だと思った(名探偵コナン的に言うとね)。

ただ、何て言うか鼻に付く部分は否めない。日本でも有数の進学校である灘校に通っているんだから、その頭の良さは誰もが認める事。どうしても「頭がいいオーラ」を放っている。鼻水垂らして、駆け足だった僕の高校時代とはまったく違う。この本はスーパー高校生の創造力のつくり方というタイトルが付いているが、半分は正解だけれども正確にタイトルを付けるなら「スーパーIT高校生"Tehu"と村上の進路相談」が正解だと思う。村上さんは、本書の中でTehu君に対して、海外の大学に通った方がいいのではないかと、薦めているんだけど、我々凡人とは違う立ち位置にいる気がした。村上さんの子供がハーバード大学に行ったとか、慶応大学に行ったとか、もう完全に凡人の領域ではないんだよね。日本人に英語教育は必要か?とか、政治が若者に不利になっているとか、えっ今週のジャンプのONE PIECEどうだった?とか、そういう話題じゃないんだ、、。っていう驚きはありました。視点が完全に大人なんです。日本が資本主義なのか、うまくできた社会主義なのか。殆どの高校生は考えない。

灘校の中であっても安全志向というのは、あるらしい。Tehu君自身は東大には行かないらしいけどれ、灘校の中でも東大に行って官僚や医者になる夢を目指す人も多いらしい。

ただ共感する部分も色々とあって、特に高校生の立場だから言える「デジタルネイティブ」に関する話は興味深かった。
いまSNSを使っている人が増えてますけど、学生は遊び道具として使っているだけで、真剣に自分の将来を考えたり、自分のために何か役立つから使おうという考え方の人が少なすぎるんじゃないかと思います。人生のためにITが必要だという感じには別にならなくていいんですけど、明らかに、甘く見すぎというか、ITイコールただの遊び道具みたいな考え方があるんですよ。どうしてもデジタルネイティブ世代って、コンピューターを活用して、すごいとをしている人たちが持ち上げられますよね。その一方で、普通のデジタルネイティブ世代というのは、かえって悪い方向に進んでいるんじやないかという、そういう懸念もありますね。
たぶん、「Tehu君」の年齢ってすごい恵まれてますよね。大学を卒業して大人なると、仕事や家庭とかがあって希望というよりも、消去法で物事を考えガチです。純粋に夢を見る事が学生と比べて「かっこ悪い」とさえ思えている。ただ、この本を読んで逆に「俺、かんばろう」「私、かんばろう」と思ったりする。この本は大人というよりも大学生だったり、就活生の人が読むと、とても参考になる。

本書を読んで一つ安心したのが、灘校に行ってエリートで我々とは違う人種?なのかな、って思ってましたけど、「いきものががり」のコンサートに行ったり、AKB48の東京ドームコンサートに行ったり、ももクロのプロデューサーであるヒャダインさんのポスターが部屋に貼ってあるという話でした。あっやっぱり中身は普通の高校生なのかな?って安心しました。人を楽しめる映像が作りたいというTehu君の今後にも期待です。