最年少上場「リブセンス」の村上社長が語る経営とは?ジョブセンスと言えば、もはや若者の間は知らない人はいないだろう。採用されると求人サイトから「祝い金」が貰えるサイトと言えば通りが良いのかもしれない。ビジネスモデルも旧来の求人サイトとは、まったく違う。それまで広告を出すだけで掲載費がかかっていた求人業界において、バイトが採用されたら手数料を取る「成功報酬型」の常識を破るモデルを構築した。簡単にビジネスモデルを説明するなら、こういう事になる。
アルバイトを採用したい企業はジョブセンスのサイトに、なんと「無料」で募集広告を出す事ができる。広告を出す際に料金を払う必要は一切ない。その広告を見て応募してきた人を採用したときに、初めて企業はお金を払う。このようなシステムを、「成功報酬型」という。業界の常識を覆すやり方である。

ところが、話はこれで終わりではない。応募者は、採用が決まると、リブセンスから最大2万円の「採用祝い金」がもらえる。
●若者の間で支持を集めた「採用祝い金」

バイトの面接に行くにも交通費がかかる。勿論、どの仕事でも2万円が貰えるわけではなく、大体は1000〜2000円程度だそうだ。ただ、同じバイトであれば祝い金が貰えるのと貰えないのでは、モチベーションがまったく違ってくる。リブセンスはこの制度で、2011年は年間に9607万6000円払っている。リブセンスの年間売り上げが約11億円、利益が5億円。だから、このお金がまるまる手元に入ってきた事を考えると、この額はすごい。

村上氏が一世代前の企業と違うところは、お金ではなく「人を幸せにする」という事に重点を置いている事だ。村上社長はリブセンス株の約50%を所有するその資産は100億円とも言われている。しかし、驚く事に上場後、今まで住んでいた部屋よりも小さい部屋に引っ越している。家に冷蔵庫もない。テレビはあるが、地でデジ化に遅れて番組を見る事はできない。

●ひたすら考えた高校時代

村上社長は高校時代、こんな事をずっと考えていたそうだ。
高校2年生のときに「自分はどうして生きるんだろう」と自問自答した経験だ。生きる意味と、死んだらどうなるかを、高校生がひたすら考えた。答えは出るはずもなかった。だが、考えたことで自分の中で何かが変わったのだ。
社名である「リブセンス」これは「生きる意味」と訳せるが、ここに村上社長の強い思いが込められているようだ。

●親の教育と起業家への道

リブセンス成長の陰には村上社長の母親の影響が大きいらしい。放任主義の両親で何をするにも反対する事はなかったという。子供の頃、母親が村上社長のために「ガイアの夜明け」「ワールドビジネスサテライト」といった経済番組を一緒に見ていたそうだ。リブセンスを起業する際も何も言わずに150万円を出資してくれたそうだ。

●自分がやりたいことは過去を振り返れば見つかる

早稲田のベンチャーコンテストで村上社長はこんな経営理念を掲げている。
・自分の視点からではなく、利用者の視点から物事を考える。
・多くの人が必要とし、便利と感じるサービスを常に提供していく。
・先を見越し、将来を考えた事業を展開する。
・何事も、考えるだけでなく実際に行動に起こす。
・私たちの企画を通じて、人々が快適に暮らす社会を作る。
アップルのスティーブジョブズの「やりたいことを見つけなさい、そのためのヒントはあなたが歩んできた道を掘り起こせば絶対にある」の言葉を引用しながら、「人は幸せになるために生きている。自分にとっての幸せは、相手に喜んでもらうこと、人を幸せにすることで生まれてくるものなのだ」と語っている。一世代前のホリエモンがお金を稼ぐ事、会社を大きくする事に重点を置いていたのとは違って、村上社長が企業を運営する理由は、利益や莫大な富ではなく、人を幸せにする事なんだと思います。それを要約すれば「リブセンス(生きる意味)」という事なんでしょう。それは壮大な実験なのかもしれない。楽しい実験だ。

本書の帯でサイバーエージェントの藤田社長はこの本ほをこう評している。最後に、引用してみよう。
「起業家」というと、どうしてもアウトローな人や強烈な挫折経験がある人ばかりというイメージが強いですが、普通の家庭で育ち、大学に行き、というまっとうに育ってきたリブンセス村上太一社長のような人が増えれば、起業家のイメージが変わり、起業を目指す人が増えると思います。
起業は大変だという事を、本書で村上社長は語っている。時にはビジネスモデルを180度変えなければならない時がある。ただ明確に、そして情熱的にビジネスに取り組んでいれば成果は得られる。この本は経営を志す人以外にも、今の仕事に悩んでいる人、就職活動中の学生におすすめです。穏やかな情熱。それは消える事はなく、メラメラと、、、。