最近、何冊か読んでいる三橋貴明さんの本を検索したら、Amazonの「この本を買っている人はこんな本わ買っていますよ」でおすすめされた。まぁ言われるがまま買ったわけだ。レビューでも評価が良かったけど、評価通り内容は良かったと思う。
アベノミクスの効果、そして景気回復が注目を集めている。メディアは株が上がった下がった事には注目するが、こと政策面とくに「国土強靭化計画」による公共事業に関しては否定的な意見も聞く。「これ以上、国家の負債が増えたら国家が破綻してしまう」と、、。新聞垂れ流しが全てだと思っている人は不安を抱いているかもしれない。本書では端的に「日本の財政は破綻しない」と断言する。その理由は、国債が自国通貨(つまり円)で発行されているからだ。最終的には円を大量に刷って解決すればいい。ギリシャやヨーロッパの問題の発端はユーロという事にある。経済の常識としてデフレになればお金を刷り、インフレになれば増税と抑制するという事ができる。しかし、運命共同体のユーロではギリシャ単独にその権利がないのだ。

その上、国債の多くを外国人が持っていた。潰れていもいいからお金を返せ、という事だろう。

それに加えて、「赤字国債」と「建設国債」の違いも我々は知らない。
「建設国債」とは通常の国債と比べると満期が長い、大体60年くらい。その上で作ったインフラは将来の資産となる。安倍総理はこの「建設国債」を日銀に買い取らせデフレと老朽化したインフラを同時に解決しようとしている。

ヨーロッパの債務問題が拡大し、ユーロの限界が来ている。中国の人件費高騰も深刻だ。世界の企業が引き上げている、それは中国デモで影響を受けた日本もそうだ。日本の中では「中国の内需を獲得しよう」という動きはあるが、中国では貧富の差が拡大し、中間層がそれほどいない。その上で環境破壊も深刻だ。

韓国の所で言われた「IMFは借金取り」といった発言は面白かった。
日本が公共事業で救われると、主張する。
国家のGDPを形成するのは「個人消費+民間投資+政府支出+純輸出」であり、個人や企業がお金を使わない現状においては、これを伸ばすには政府による公共投資を増やす以外に方法はない。
著者が「大きい政府」「小さい政府」どちらを推奨するのかは置いといて、日本が復活するためには「護送船団方式」の復活が必要だ。と綴っている。つまりグローバルグローバルと言って合理化を進めた結果、一部の富裕層が肥えただけで、経済や社会が腐敗してしまった。その点を踏まえた上で、著者はアベノミックスが日本を救うと綴っている。