1,000円バーガーの提供やコーヒー無料配布など奇抜なアイディアで世間を驚かすマクドナルド。一時期の「安かろう、悪かろう」というイメージを払拭し、マクドナルドでハンバーガーを買う事がかっこいい。とまで言われるようになった。本書「とことんやれば必ずできる」は、マクドナルドのCEOである原田 永幸氏が自身の経験を元に、仕事をする全ての人に贈るメッセージが綴られている。

●1.1年掛かってやる事を半年で達成する。


これはマクドナルドのCEOに就任した原田氏が行った手腕でもある。それまでマクドナルドではハンバーガーを作り置きにしていたそうです。しかし、より美味しい物を提供するために、注文を受けてから作る「メイドフォーユー」という設備を導入する事にしたそうです。しかし、マクドナルドの社員から提示された期間は1年というものでした。そこで原田氏は「半年で全店舗導入」という決断をしました。当然、社員から猛反発をくらいましたが、そこで負けずに「やれ!」という一押しで結果を出したのです。

●2.感謝の気持ちがあれば、人は助けてくれる。

よく、仕事を達成すると「この功績と俺のものだ」と言わんばかりの人がいますが、そこで傲慢になるか謙虚になるかによって今後の進路は大きく変わります。自分が困った時に、他人に頼るだけではダメです。自分の中に相手に対する感謝があってこそ、他人は貴方の事を助けてくれるのです。これはビジネスマンに限らず、全ての人に共通する事です。恥ずかしくても「ありがとう」が言えるかどうかが、今後を左右するのかもしれませんね。

●3.ゴールから逆算して何か必要か考える。

闇雲に走っても成功できるわけではありません。偶然に成功する可能性もゼロではありませんが、それは運です。やはりビジネスや人生という世界で成功するためには、明確にゴールからスタートを逆算しなければなりません。この時にら大切なのが、スタートからゴールを見るのではなく、ゴールからスタートを見る事です。例えば、ゴルフで旗に向かってフルスイングで飛ばすだけ「俺は旗に向かって打っているんだ」という人がいますが、ゴルフが上手な人はゴールから逆算して、何打目にあそこ、何打目にあそこ、といった具合に逆算してゴールを決めています。

●4.お金を追い求めると成功はしない。

よく、多くの人がお金を沢山貰って、欲しい物を欲しいだけ買う。といった夢を持ちます。まぁ住宅街に庭付きの一戸建てとか、外車を乗り回すとか、色々ですが、原田さん自身、学生時代も含めがむしゃらに働いて、ある程度裕福と言える収入を得ていたそうです。そのうち高級なレストランなどで食事ができるようになったそうですが、何か自分の中で腑に落ちない、満足感が得られない事が増えたそうです。
何となく虚しいな。欲しいモノを手に入れというのは、ゴールではないな
と思ったそうです。
何のためにがんばってきたのか。いいお給料をもらって、車と家のローンにお金を払ってきただけではないか。
そんな中で自問自答した原田さんは、こんな結論を出しています。
お金があれば幸せというわけではない。自己啓発そのものが生きがいだし、もっと大事なのは人と人との愛、家族の愛だ
原田さんはその決意を胸に、自宅や車を売却してしまったそうです。今、お金はあるけど幸せではない、と思っている人は自分の内面とお金の事を考えてみる必要があるのかもしれません。

●5.結果が出て初めて「仕事」と呼べる。
仕事というのは、地位やお金を目的とするのではなく、どんな仕事をして成果をあげるかが目的であるはず。繰り返しますが、地位やお金は仕事をした結果、得られるものなのです。

仕事というのは結果が出て初めて仕事と呼べる。成果が出なければ、どんなに頑張っても意味がないもの。何の言い訳もできないと綴っています。

●6.肩書きを気にし出した時が辞め時。
ここに勤めていると、3年先はこうなっている。5年先はこうだ
と分かった時が転職の頃合いだと綴っています。ただ、すぐに転職するのではなく、最低でも5年間は同じ場所で働く事の重要性も綴っています。自分が仕事が好きではないから、という理由で転職を繰り返すと、結局は同じ場所で似たような事で転職を繰り返す結果になりかねません。

ある女性が広告の仕事をやりたい、しかし会社では広告をやれない。原田さんは「もう少し現場を知ってからの方がいいのではないか?」と助言したそうですが、他社から「広告」の仕事を打診された彼女は、転職をしたそうです。少し時間が経った頃、原田さんのもとに「もっと現場を学んでから転職すれば良かった」という手紙が届いたそうです。

本書は人生という以上に、著者である原田さんの熱意を感じる本でした。