「ネットはバカと暇人のもの」の著者である中川 淳一郎氏が書いたネット論です。論と言えば語弊がありますが、ネットでいかに注目を集めるか?それを儲ける人、損する人をテーマに綴っている内容です。著者のTwitterによると「初めてネットに対してポジティブな本書いたぞ」との事ですが、正直に言うと僕は「ネットでいかに儲けるか?」が知りたかったわけで、本書ずばりネットで流行るのはこんなコンテンツ。といった事が綴られています。それ自体、素人やネットメディアに関わる人なら参考になる情報です。ただ、ポジティブと書きながら最後はネガティブな気持ちになりました。

ずばり言うと、ネットで流行るものはテレビか芸能人が絡みなわけで、今からネットで副業を始めても、先駆者利益が大きいので、それほど稼ぐ事はできないよ、という事を綴っています。本書で指摘されている事でなるほどと思った事は、「ネットで人生は変わらない」という事。よくネットをすると人生が変わる、さもバラ色の人生が待っているみたいな思いますが、例えばネットで情報を発信した所で、Twitterでつぶやいた所で、最も多い反応は「無反応」です。今からTwitterを始めたところで一般人が10万人単位でフォロワーを増やす事は難しい。著者の「フォロワー数と実力は関係ない」という言葉は興味深いです。SoftBankの孫さんやホリエモンのように影響力がある人は別ですが、結局、一般人で今多くのフォロワーを獲得するのは、最初に始めた百式の田口さんであったり、ネタフルのコグレさんだったりするわけです。

僕は最近、メルマガを始めましたが、メルマガが絶頂の時(2000年代の最初の頃)は書評メルマガを発行して、何もしなくても2000人くらいの読者が付いたそうです。今だと50人でも厳しい。これに某アィリエイターの対談が収録されていますが、1年間更新をし続けてやっと利益が出る。片手間にできるほど甘くはないと綴られています。では、ネットで流行るコンテンツとはどんな物なのか?著者はその要素をこう分析します。

1.話題にしたい部分があるものの、突っ込みどころがあるもの
2.身近であるもの、B級感のあるもの
3.非常に意見が強いもの
4.テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフー
・トピックスが選ぶもの
5.モラルを問うもの
6.芸能人関係のもの
7.エロ
8.美人
9.時事性のあるもの
10.他人の不幸
11.自分の人生と関係した政策・法改正など

著書では例として、芸人の小島よしおさんが馬の着ぐるみを来て45キロのマラソンをする「ウマラソン」の企画が例として紹介されている。この模様はユーストリームで公開され、ダダ漏れで有名になった「そらのさん」が実況中継するおまけがあった。小島よしおさん的にも芸人人生を掛けるといった意気込みで走ったものの、実際に視聴された人数は800人だったそうです。話題だから人気だからという理由で視聴者が集まるというのは、テレビ的な発想なんでしょう。それなら深夜帯で1%の視聴率を狙った方が効率的。著者の意見を借りるなら「ネットに芸能人は必ずしも必要ない」という事です。

「ネット文脈」、つまりネットでクリックされないもの、話題にならない物は存在していないとの同意だという意見にはもの凄く共感できた。存在にきずいてサイトに来てくれるためには、何らかのWeb媒体とコミットはなくてはならない。

ただ、著者は「コバンザメ式」という人気記事の後追い的な内容で人気を集める、、といった事も綴っているけど、テレビが嫌いな著者がテレビから情報を得ていたりする。よく「マスゴミ、マスゴミ」と叫ぶ人がいるが、結局、ネット情報はテレビや新聞がネタ元で、それを元に批判しているのは膝を打って面白い!と思った。人気のワードの大半がテレビの影響だったりと考えると、なんか普通に書評を書いて無反応が続く事がバカに思えてくる。そういう意味での「ウェブはバカと暇人のもの」なのか?

確かに、エンタメ系の人気は強い、GIGAZINEさんとかロケットニュースさんとか、ニュース系のサイトは人気を集める。ただそれを書いて、お金が入って来て書いた本人は楽しいのか?というと疑問が残るんだ。結局、お金が入ったからといって幸せになるとは限らない。本筋とずれるけど、結局、自分が楽しいと心から思えて、少しの人数でも賛同してくれる人かせいたら、それだけでネット上で幸せだと思う。ただ、これだけネットが普及しているのだから、ニッチな市場でも飯が喰える環境が生まれてもいいのではないか?と思ったりします。本書の点数を付けた理由は、あまり現実的すぎたからだ。本書執筆から3年が経過したが、ネットのエンタメ化はますます突出しているのかもしれない。ネットでお金を稼ぎたい人は読んでおくと良いかもしれない。