大統領選挙と言うと、日本ではあまり馴染みがないかもしれない。日本では衆議院にしろ参議院にしろたった2週間という期間で政治の情勢が大きく変わる。しかし、アメリカの場合は「週」ではなく「年」という単位で選挙戦が繰り広げられる。2大政党制のアメリカでは「共和党」「民主党」それぞれの大統領選を選ぶ「予備選挙」から始める。それ自体がビックイベントで「大統領選=お祭り」という言葉も間違いではない。

本書のサブタイトルにもなっているが、アメリカの大統領選に掛かる費用は5,000億円とも言われている。お金を集めた者が勝者とまで言われているそうですが、一見すると少数の大口献金で成り立っている(そいつらが政治を動かすんでしょ)と思われているアメリカ。しかし、選挙にはルールがあって、献金に関しては、以下のようなルールが存在しているそうです。
02年には超党派選挙改革法(別:マケイン・ファインゴールド法)という法律が成立した。それによって、ある人がヒラリーという候補者に献金しようとする場合、最高で予備選時に2300ドル。そして11月4日の本選挙に2300ドル。合わせて4600ドルという献金額が決められた。08年の選挙ではこれ以上ヒラリーに献金することはできない。さらに無制限だった政党への献金(ソフトマネー)も禁止された。その代わり、政党献金は1年間で2万5000ドルまでの上限が設定された。
これだけクリーンを維持するための法律がある一方で、投資銀行や大手企業の元幹部が政府の役職に付く。そこには裏があって、献金額が上限が定められているが、有力者がサポーターとして多額の献金を集めてくるのだ。ヒルレイザーという称号だそうですが、そうやって有力者は力を影響力を強めている。

アメリカの選挙は徹底的な情報戦とも言える。有権者の情報を徹底的に分析(例えば、この通りの何々さんはどこの政党支持)という情報を分析して解析する。今で言うビックデータみたないものですが、共和党だけで1億6000万人分のデータが蓄積されていたのだから驚かされる。アメリカの選挙は集金にこそ制限はあるが、受け取ったお金を何に使うかのか?は自由。日本では馴染みがないですが、対立候補の批判といったCMが大量に放送される。メディアにとっては稼ぎ時だったりする。

ただ、お金があるから選挙に勝てるのか?と言うと、そうではないらしい。例えば、世界の富豪として有名なロックフェラー家である「ネルソン・ロックフェラー」その資産をもってしても、大統領になる事はできなかった。

アメリカの大統領選挙の面白い所は、実際に大統領に投票するのではなく、「選挙人」を選ぶ選挙だという事です。これは国土の広いアメリカに由来しますが、その選挙人を多く獲得した方が勝者になる。

2大政党制を取るアメリカですが、その選挙方式は「2大政党制」を前提にしているものであって、2大政党の候補者以外な大統領になれない。という現実があったりする。アメリカでも無党派層(インディペンデント)が増えているそうです。アメリカという国をお金という視点で見るのは面白いです。ただ一つ問題があるとすれば、本書の帯だったりします、、。

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あれ確か、今の大統領はオバマだった気もしますが、、。