前作の劇場版から早17年、待望の新作です。ストーリーの時代は、魔人ブウ編から4年後にあたるエイジ778年のある日。そこで起こった神様との戦いを描くスートリーです。正直に言う。鳥山先生これだよ、ドラゴンボールってこういうなんだと、ファンも納得の内容でしょう。ハリウッド版の「ドラゴンボール」がファンの間で糞映画だと認定されてから早数年、鳥山先生自身も「原作者としての意地を見せたかった部分もある」と、本作への意気込みを語る。今回の作品ではストーリー段階で原作者として携わったそうです。ONE PIECEの劇場版もそうでしたが、やはり原作者が関わると完成度は高い、その法則は裏切れない。本作の何が凄いのかと言えば、はっきり言うと「中身が一切無い」事です。


ただ、悟空が敵と戦って終わる。そこに時代背景も社会風刺もない。

神と神。39年の眠りから目覚めた「破壊神ビルス」フリーザーがサイヤ人にやられた事を聞きつけ、界王星で修行をしている悟空の前に表れる。悟空は最強を誇るビルスに戦いを挑むが、たった数発で倒されてしまう。ビルスは「スーパーサイヤ人ゴット」を探すために地球に現れる。ベジータが地球破壊を阻止するため、あれこれと接待をするわけですが、おばさん全快のブルマだったり、ピラフ一味のマイとトランクス(子供)の恋愛模様とか(子供に戻っているけど、マイは41歳らしい、、)、鳥山先生の世界観をぎゅっと凝縮したように豪華。ピッコロ、クリリン、亀仙人、あのキャラクターも、あのキャラクターもいる。

で、この映画のキーとなっている「スーパーサイヤ人ゴット」とビルスが戦うわけです。

前作の劇場版から17年。当時生まれた子供でも既に17歳です。リアルタイムでドラゴンボールを観ていた世代は既にいいおっさんです。会社でも部長とかのポジションにいるかもしれません。ピッコロがラディッツと一緒に死んだ瞬間、完全に脇役になったヤムチャ、初めてかめはめ波を観た時。あの記憶の断片と共に、色々な思い出がよみがえってきます。最初の作品がZだった人もGTだった人も(無印だった人)も含めて、多くのファンが「これはドラゴンボール」だと認められる作品です。

山寺さんのビルスの声いいなー、とか色々と思う部分はあるわけですよ。

たぶん、もっと濃密で伏線たっぷりのドラゴンボールを作る事も可能だったはずです。でも、神と神で表現された物こそ、ピースとピースが合わさったドラゴンボールなのではないでしょうか?すかっとして、観賞後の爽快感が得られる。そういう意味で、子供と一緒でも一人でも安心して、楽しめる作品だと思います。

ドラゴンボールってこういう作品だと思います。