昨日、紹介した出井氏の「日本進化論」は面白かった。ただ、本書を全面的に薦めるのか?というと答えに詰まる。勿論、本書を書いたのがソニー元CEOの出井氏という点は興味深いが、正直に言うと本書には元ソニーといった雰囲気は感じられない。文化、芸能、音楽という視点で綴っているが、発売当時ならともかく2013年の現在においては「ふーん」といった感想を抱かざるおえない。本書で個人的に興味深かった点は、世界の東京化という部分。


例えば、それは「マクドナルド化」と表せばいいのかもしれないが、高級なホテルに泊まれば3つ星のレストランがあって日本食から洋食まであらゆる食べ物が食べられる。でも旅の醍醐味はその部分ではなく、地元の美味しい食べ物、そして文化に浸る事だと出井氏は言う。外国人が旅行に行く際に選ぶのは東京ではなく北海道。洋食ならどこでも食べられる、本当に現地でないとダメな部分。本書が2009年の出版だが、ネットが普及した今だからこそ現地の臭いや食感が大切なのかもしれない。

ネットだからこそのリアル、それは本書の主題ではないけど、個人的にその部分が気になった。