内容はまさにタイトル通りです。ネットが普及して様々な事が変わって行く中で、お金という価値そのものの形や使い方が変わっていい。それを2人が面白おかしく対話していく。本書は、2010年5月12日、2011年4月5日、2013年6月18日に行われたトークイベントを構成し加筆したものです。ボクは熱心な信者ではありませんが、ホリエモンの関連の本の魅力はやっぱりぶっ飛んだ発言やコメントなんですよね。ある時は「そうだよね」と頷いて、またある時は「いゃそれは違うだろうっ!」という事がある。それが面白いわけです。本書も賛否両論ですが、それが刺激的です。

●社員が社長にお金を払う?

オタキングこと岡田さんの収入のあり方が凄いです。
堀江 今日岡田さんとお話しすることになって、岡田さんのツイッターアカウントをフォローしました。岡田さんのツイートを読んでいて、いちばん気になったのが「オタキングex」です。いったい何ですか、あれは?

岡田 2010年の4月1日にぼくが立ち上げた組織です。普通の会社ではなくて、家族集団であり、学校でもあります。普通の会社ではないけれど、いちおうメンバーの間では「会社」と呼んでいます。いまのぼくは本の印税だけじゃなくて、講演やテレビの出演料も全部ノーギャラです。じゃあ、どうやってぼくは食べているのかということですが、社員に食わせてもらっています。普通の会社では、社長が社員に給料を払いますよね。ても、オタキングexでは、「社長」であるぼくに「社員」が給料を払う。

(中略)

岡田 ぼくの試みがおもしろいと思ったひとは、年間12万円を払ってオタキングexに参加します。ぼくの生活はメンバーが払う年会費で保証されているので、ぼくはコンテンツを気兼ねなくタダで世界中にばらまけるわけです。

●評価経済社会って何?

堀江 一言でいうと、評価経済社会って何なんですか?


岡田 貨幣の代わりに、評価が流通する社会のことです。これからは、貨幣と商品を交換する社会から、評価と影響を交換する社会のことです。

「オネアミスの翼」というアニメをリメイクしようという提案は面白く読めました。ビットコインもそうですが、ネットが普及して言語や国境を飛び越える時代の中で、お金というあり方も変わりつつあります。今までは、ある意味でお金が全てだった時代から、評価や無固形なモノと交換する時代にありつつある。それを「稼ぐが勝ち」「100億稼ぐ仕事術」のホリエモンと対談しているのだから、それも面白いですね。濃厚な対談。常識に縛られているあなへ。