もう2009年の作品なので今更感が漂いますが、テレビでちらっと見た事はあったけど初めてガチで観ました。いゃー、これは現時点でジブリに対抗できる(宮崎駿作品でなければ勝ってるレベル)映画だと思いました。2009年当時、セカンドライフ(たぶん今のちびっ子は知らない)が流行っていたので人によっては、セカンドライフ的な世界観を投影したのではないか?という話です。確か、細田監督が奥さんの実家に帰ったか何かがきっかけだったと聞いてますけど、これは夏に見るにはピッタリの映画です。

●あらすじ。

夏休み。仮想空間OZのバイトをしていた主人公「小磯健二」の元に憧れの先輩である「篠原夏希」からバイトをしないか?と声をかけられる。よく分からないまま夏希の実家にやってきた健二。夏希の実家ではおばあちゃんの90歳の誕生日を祝うために4世代27人が集まっていた。何とバイトの内容は体調を崩したおばあゃんのために婚約者のふりをして欲しいというものだった。慌てる健二。そして、1日目の夜に健二の元に届いた謎の暗号。数学オリンピック並みの知識を持つ彼はその暗号を解読してしまう。そして、翌日、仮想空間OZと世界、そして篠原家をを巻き込む騒動に巻き込まれるのだが、、。

●感想。

まぁ率直に言うとボクは本作は好きてすね。ある意味で仮想空間であるOZはメタファーですよね。別にあっても無くても良かったと言えば間違いではない。本作で細田監督が伝えたい事は家族愛なわけです。最近は家族の希薄化みたいなものが騒がれますけど、本作では真っ向から家族の良さや凄みを伝えている。これは冒頭のシーンなので少しネタバレしますけど、栄おばあちゃんは心不全で割と早い段階で亡くなるわけです。その過程で一瞬バラバラになりかけるわけですけど、遺言を元にまた再度集う。疎遠だった侘助(わびすけ)が実はOZにしかけられたコンピューターウイルスの開発者だったわけです。小惑星探査機「あらわし」が世界500箇所にある核施設のどこかに墜落する。それを阻止するため家族が立ち上がるというのが本作のストーリーなわけです。

家族愛という点では、どんなに疎遠になっていた家族であっても最後は家族である事。一見すると日常の中に埋もれてしまう食事に対しての配慮が細田作品の好きなところ。ああっ家族っていいなー、観賞後、ちょっと疎遠になっていた家族にメールをしたり、普段は一緒に食べない食事を「今日は一緒に食べていい?」という事でもいい。本作のクライマックスが「花札」の戦いという点も面白いですよね。こいこい、こいこい。OZ関係ないやんっ!という話です。(笑)予告編にもあった「よろしくおねがいしますっっ!」これが本作のもう一つの見所。健二を鼻血を流すシーンですね。

最後の最後でほろりとする演出。そしてエンドロールで流れる山下達郎のED曲。全てが良いっっ!
是非、親子でそして家族で観たい作品です。