楽天と言えば、もはやボクの生活とは切っても切れない関係にあります。楽天カードも勿論ですが、ミネラルウォーターから家電まで色々な物を買ってます。(ブロガー的には楽天アフィリエイトも捨てられない)そんな楽天も創業は1997年という事でまだ20年も経っていない企業です。出版されたのは2007年ですが、グループの流通総額は1兆円を大きく越え、最近ではLCCへの参入も表明した。楽天カードマンも忘れてはならない。で、本書はそんな楽天の三木谷社長が楽天の社是である5つのコンセプトを元に、働く事の意味を問いかけます。

そのコンセプトとは、

・常に改善、常に前進
・Professionalismの徹底
・仮説→実行→検証→仕組化
・顧客満足の最大化
・スピード!! スピード!! スピード!!

です。

●最初は従業員6人から始まった。

破竹の勢いで成長する楽天ですが、創業当時の社員はたった6名。三木谷社長自身がアキバに言ってサーバーを購入していたほど小さかったのです。最初に出店したお店はたった13店舗。それも殆どが三木谷社長の知り合いだった。全国を必至でかけずり回って、たった数件の契約しか取れなかった。でも、たった数店舗を少ないとするか、多いとするかによって価値観は大きく違ってくる。三木谷社長はそれを肯定的に受け入れたわけです。

●毎日1%の成長でも1年で37倍成長する。

誰もが大きな成長を望みます。ミスチルやB’zを見て、「あっ俺もああなりたい」とは多くの人が思う。ギターを始めたり、ピアノを始める。ただ、大きな目標を見て目の前の事を無視する事は多いです。練習が大変だから辞めようと、たった1%の努力を惜しんでしまう。殆どの人はそうです。でも三木谷社長はこう言います。「たとえ毎日1%の改善でも、1年続ければ37倍になる。1.01の365乗は37.78になるからだ。」と、、。日々精進という事は昔から言われているけど、世の中は意外と「やるか」「やらないか」の差が結構大きいわけです。

●仕事を楽しみに変えらるか、それが有能なビジネスマンの違いだ。

仕事を苦痛と思ってするか、楽しみと思ってするか。それによって、仕事の成果は大きく変わって来ます。三木谷社長は心から仕事を楽しんでいると感じました。これは面白い話ですが、成功する経営者やビジネスマンほど仕事を楽しんでいる。例えば、ソフトバンクの孫そんやユニクロの柳井さんが「あ〜明日、会社に行くの嫌だな」と思っているとかというと、絶対に違うと思います。仕事を人生の喜びにする事、それが成功する最短ルートなのかもしれません。

●社員を育てる。

例えば、海外企業のようにプロ経営者や有能な社員をヘッドハントする事は簡単です。短期間で利益は出るかもしれない。でも楽天では社員は育てるという事に意味を求めます。六本木ヒルズから品川に本社を移転して、まず社内を大学のキャンパスのようにしようと思ったそうです。フィットネス施設の充実、そして社食の充実。社員こそ最大の資産だという事が伝わって来ます。

●感想。

時を同じくして、livedoorのホリエモンと比較される事の多かった三木谷社長ですが、言い方は悪いですが、あちらは虚業で、こちらは実業だった。という事なのだと思います。インターネットが変えるものはリアルという言葉もありますが、一見するとお金儲け100%果汁という企業がある中で、本書を読む限りでは、楽天はちゃんとした会社という印象があります。体育会系のノリも社風だそうですが、本社の掃除を社員自らが行う企業は日本でも大手では楽天くらいでしょう。ビジネスマンの勇気と希望をお届け。