韓国と言えば、一部の人(※ネットではサムスンのギャラクシーを買っただけで非難の対象になるとか、ならないとか。)にとってはイメージが悪いです。で、本書の主題は勿論、タイトルにもあるように「韓国」です。多くの人が韓国=悪いイメージを抱くのとは対照的に、日本ではサムスン電子を推奨する(簡単に言えば、サムスンを真似ろという)本が出てますね。サムスン電子の働き方とか、サムスンのリーダーシップとか。勿論、サムスンの経営が優れている事は否定しません。やはり、世界的にAndroidのギャクシーが売れているのは事実です。でも韓国全体という視点で見た場合には、実はそこには影がある。というのが、本書の内容です。
●貿易依存度は日本の4倍?
例えば、韓国の輸出依存度は40%。日本が10%ですから、その依存度は日本の4倍にもなるそうです。輸出大国と思っている方には以外ですが、実は日本の貿易依存度はそれほど大きくはない。ちなみに、日本のGDPの6割近くを占めるのは国内消費です。●サムスンとLGだけ?
サムスンが儲けている理由はもの凄く簡単で、政府が影で援助しているからという事になると思います。低い税金や国策として下げられた電気料金など、輸出企業を支援する体制が整っている。日本のように(日立・パナソニック・シャープ・三菱)小さいものを含めればもっと多い家電メーカーがあるのに対して、韓国には大雑把に言えば(サムスン・LG電子)しかありません。その上で、国内で利益の大半を確保する。簡単に言えば、高い価格で買われる事で、利益を出してその利益で世界を席巻しているとも言えるわけです。●韓国企業の株式の半分は海外投資家?
これは日本もうかうかしてられませんが、韓国の企業。本書ではサムスンですが、その40%近くは海外投資家が株式を保有してます。通常であれば、会社の利益は社員や国に還元されるべきですが、その利益の多くを配当に回しているわけです。つまり、サムスンは社員の利益を最大化する事ではなく、株主の利益を最大限に考えている。毎年4月に支払われる配当は韓国全体で2000億円にも及ぶ。そのうち、サムスンの創業家だけで年間60億円。韓国の最低賃金が300円台だと考えれば、これはアメリカよりも酷いのかもしれません。また、面白いデータもあって、、
「時価総額上位100社は5年で雇用を1.5%しか増やしてない」
という話もあります。