正直、見る前は「どうせ子供向けなんでしょ!」と期待値低めでした。でも本編を観ているうちに、その思いを良い意味で裏切ってくれた。これは大人が観ても十分に楽しむ事ができる。いゃむしろ大人に観て欲しい。それも映画としても完成度の高い作品です。LEGOの世界観と、小気味良いギャグ、そして感動。LEGOの世界観と映画を見事に融合した傑作です。

●あらすじ。

おしごと大王(山寺宏一)はウィトルウィウスから世界を制服するアイテムである「スパボン」を盗み出した。ウィトルウィウスは最後に予言として「黄色いマスタビルダーが現れる」と告げる。そして8年後、工事現場で働くごく普通の労働者であるエメットとひょうんな事から、「選ばれし者」と誤解され、おしごと大王から世界を救うために、住人たちと旅に出る事になった。友情や感動、そして最後に訪れる出来事とは?

●感想。

まず冒頭から世界観が凄いです。「ブラック社」という世界を牛耳る大企業があるわけですが、エメットはそこの工事現場で働く「レゴを買ったら必ず1個は付いてくる黄色い人形」労働者。マニュアルに忠実で一見人当たりの良いように思える。ひょんな事から「ブラック社」に捕まるわけですが、ここが切なくて、「あああいつの事はよくかわらない」とか「つまらいな奴」とか言われて、朝挨拶した人ですら記憶に残らないほど平凡。めっちゃ切ない。そんな奴がマスター・ビルダー(簡単に言えば、レゴで物を組み立てられる人)と間違われる。実際、エメットは2段ソファくらいしか作れない。(これはこれで本編では活躍する)ヒロインであるワイルドガールはあきれるわけです。で、このおしごと大王の手下との戦いをしながらエメットは成長していくわけです。次第に増えて行く仲間。そして、おしごと大王の企みを食い止めるために、皆で戦うというのが簡単なストーリーなわけです。

この世界征服を企むおしごと大王の秘密兵器「スパボン」も最後の方でなるほど!そいういう事だったのかと、、。おしごと大王に捕まり、マスター・ビルダー共々始末されれる危機。そこでエメットが取った行動が感動的。そして一番驚きだったシーンが本作的に言う「雲の上の人」なわけです。詳細はネタバレなので避けますが、現実とアニメの融合といっておきましょう。えっ出ていいの?みたいな、、。普通だったら、おしごと大王を倒してハッピーエンド、あ〜よかったねが子供向けのアニメの定番ですが、そうしなかった。そこが今作の素晴らしい点です。一度でもレゴに触れた事がある人なら納得できる。ある意味でタブーだけど、それが面白いのです。

最後の最後で2つの伏線が同時進行で進んで行く。

むしろエメットの話は伏線で「現実」の方が主題。バットマンやスーパーマンなど、ある意味でアベンジャーズ並みのキャストの豪華さ。アメリカ版だとモーガンフリーマンとかが吹き替えを担当しているそうです。字幕で観たい方はそちらで。一見ストップモーションに思えるものも殆どがCGで描かれているそうです。山ちゃんが吹き替えを担当すると、皆、インデペンデンス・デイのウィルスミスみたいな感じですけど、あのギャグセンスは山寺さんじゃないと無理ですね。本作の意図からすれば、親子で観るのがベストな作品です。LEGOムービーあなどれぬ。