トム・クランシー作品では5作目。「ジャック・ライアン」をリブートした作品になっております。まず前もってはっきり言っておきますが、かなりの問題作です。宣伝の妙で良い感じに見えているけど、これが映画館でしかもポップコーンとコーラなんて買ってたら「金返せっ!」レベルです。一見すると、スパイ物ですが、話が薄いですし、アクションもイマイチです。TSUTAYAの新作料金でも、うーんという感想です。決して悪い作品ではないですよ。カレーで言ったら、カレーの味はしてます。でも絶品ではないだけ。
●あらすじ。
ウォール街のアナリストで、CIAの分析官ライアンは、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループが株を不正操作しているとの情報が入った。経営者の元に査察に入るように命じられる。モスクワに飛んだライアンだったが敵の刺客に命を狙われる事に、、。●感想。
まず全体に的に無理があるんですよね。冒頭でチェレヴィンの刺客に襲われるシーン。分析官であるライアンは実践経験が無いために、必至で敵と戦う。これが人生で初めて殺した相手。手は震え、心拍数は急上昇。ボクはこれを見て、あ〜なるほどこういう展開なのね。と、かなり期待してました。でも後半でまた別の敵と戦うシーンがあるんですが、おいちょっと待てと、何のためらいもなく、思いっきり戦っとるやないかっ!と。逆の驚きですよ。頭とか体とかばんばん殴って、あの冒頭のシーンはなんだったのかと、、。その上に、ライアンの彼女はこれまた不自然。ライアンの不信な行動を疑って、モスクワに来るわけですけど、ライアンが「俺CIAなんだ」と告げると「うわ〜浮気じゃなくて良かった」というわけです。そんな返しある?CIAだぜ、そっちの方が怖いでしょ。そして次の疑問点が、ライアンが敵の本部に潜入するシーン。入るためにカードキーが必要なんですが、それを盗むシーンが凄い。相手にどんっ!とぶつかって、その隙に盗む。ちよっとした窃盗団ですよね。敵も敵でその事に気づかないというトンチンカンぶり。
そして問題が最後ですよ、敵の爆弾テロを阻止するために戦うわけですが、カットを割すぎてよく分からない展開になっている。しかも、それほど敵も強くない。ダイハードよろしくボロボロにもならない。根本的な疑問ですけど、果たしてそれで物語は解決したのか?という思いが強いです。たぶん、ミッションインポッシブルとボーンシリーズを足して割ったような映画ですが、あれはトムクールズのPVなわけですし、ボーンはボーンで綿密に計算されたアクションシーンとサスペンスが魅力なわけですけど、ライアンは特に何も背負ってない。PVでもない。結局、凄く悪い点もないけど、特に良い点も無い作品です。あえて見た方がいいとは言いません。旧作で100円だったらお得かな?という感じです。