タイトルがめっちゃ厚底。ボクは正直に言えば、タイトルを見て「あ〜中国共産党の汚職の実態とか、ネットの監視や国民統制、軍事力拡大」に触れるのかと思ってました。悪い意味で期待を裏切られた。本書は、簡単に言えば、テレビ東京の社員として中国に滞在する著者が中国での活動秘話を語るという構成です。確かに、冒頭でも綴られているように、賄賂を払えば通用する世界が中国なわけです。一番驚いた事は、中国の農村に70階建ての超高層ビルが立っている事。そして、中国お得意の戸籍による差別。これは結構衝撃でした。
ただ、残念なのは殆どが近視眼視点なんですよね。もっと俯瞰して、例えば、中国の反日デモを語るのであれば、暴動の現場ではなく、俯瞰視点で、世界はこう報道しました。とか、中国共産党の裏側を描かないと説得力が無い。あくまで、こうやってニュースを伝えているんですよ。というテレビ東京的な宣伝の臭いもする。勿論、21回拘束されるような国ですし、色々とあると思いますが、はっきり言って知りたい事はそれじゃない。この本が「100日間中国でニュースを伝えた男」だったらもっと評価は高いです。
逆の意味で、97%が嘘だったら残りの3%の真実をもっと知りたかったです。