科学の未来を語る本は無数にあります。それこそ最近では、原子力に頼らない自然エネルギーの未来であったり、それこそSF小説や漫画も一種の科学本です。手塚治虫が考えた鉄腕アトムが2003年の誕生(※漫画の設定)である事を考えれば、予想の難しさはあると思います。ちなみに、2112年にはドラえもんが誕生しているはず?で、本書は現代の科学技術から近視眼的な未来、そして2100年の未来を予想する本です。400ページを越える長編なので、読むは大変ですが、科学好きにはたまらない1冊です。まず本書が信用できる点は、
1.ミチオ・カク氏が一線で活躍する科学者である事。
2.300人におよぶその筋のプロに話を聞いている事。
3.荒唐無稽な想像でなく、その技術のプロトタイプが完成している事。
などが挙げられます。
以下、簡単に紹介されている未来を載せておきます。
●コンピューター。
2030年。・Googleグラスの発展型として、コンタクトレンズ型のウェアラブル端末が完成する。
・スターウォーズのようなホログラム型の映写機が発明される。
2070年〜100年。
・夢の記憶。
・コンピューターの概念が代わり、キーボードやマウスではなく脳の命令で動かせるようになる。
●人工知能。
2030年。・意識を持ったロボットの誕生。
・ロボットが手術を行う時代が到来する。
・ゲノム解析に続き、脳内の全ての情報が解明されるようになる。
(※ちなみに、今の段階ではラットなどの情報は解読されつつある。)
2070年〜100年。
・感情を持ったドラえもんのようなロボットの誕生。
・映画アバターのような仕組みを採用して、人間が操作で危険な場所や宇宙に行く。
・銀河鉄道999のような体を機械にして永遠の命?
●医療。
2030年。・病院に行かなくて、様々な検査が自宅の機械に触れるだけで分かるようになる。
・幹細胞手術の到来?
2070年〜100年。
・人間の寿命が今では考えられないほど伸びる。
・壊れた臓器が培養によって新しく作られるようになる。(一種のIPS細胞?)
●エネルギー。
近代〜。・太陽光、風量、水素発電の爆発的な普及。
2030年代。
・核融合の実現。太陽と同じエネルギー発電システムの開発。
2100年代。
・バック・トゥ・ザ・フューチャーに搭乗したホバーボードが実現される?
・常温超伝導の実現。
・自動車は磁気で浮かびながら移動する。(摩擦が無くなるためエネルギー効率が劇的に向上する)
●宇宙旅行。
近代〜。・ビックバン以前の探求。
・人類を再びに月に送り月面基地の建設。
2030年。
・火星に人類を到達させる。火星に人間が暮らせる基地を作る。
・民間人も宇宙に行けるようになる。
2100年代。
・宇宙エレベーターの建設。誰もが手軽に宇宙に行ける時代が来るようになる。
(※カーボンナノチューブの開発状況による。)
●富。
近代〜。・コンピューターが一般的に。
2030年。
・単純作業はコンピューターに任せて、人間はより人間にらしい行動を取るようになる。
2100年。
・教育次第で未来は変わる。