自宅にはONE PIECE全巻あって、アニメも毎週見ているほどのワンピファンです。公開当時に一度観たんですが、改めて今回見直してみました。前作の「ONE PIECE ストロングワールド」は名作で間違いないと思います。尾田先生が初めて劇場版の総合演出と脚本を担当した作品でしたよね。本作は総合プロデュースは尾田先生ですが、脚本は放送作家の鈴木さおむさんが書いてます。(※森三中の大島さんの旦那でめちゃイケやスマスマなどの放送作家。)確かに、良いっちゃいいんですよ、でも個人的にはどうかな?という評価です。

●あらすじ。

新世界を進む麦わらの一味は海に浮かぶ人影を発見し救助する事になった。右腕に巨大なパーツを付けたその男は、ルフィが海賊である事を知ると凶変。ルフィに殴りかかってきた。時を同じくして、海軍の施設から島をも破壊するダイナ岩が大量に盗まれた事が明らかになる。その右腕に巨大なパーツを付けた男の名前は「Z」。ネオ海軍と名乗り、新世界に巣くう全ての海賊の壊滅を画策していたのであった。

●感想。

たぶん、前作が割と万人向けだったのに対して、本作はある程度のワンピ知識が無いと厳しいかもしれません。本作ではキーマンとして、元大将青キジが登場するわけですが、赤犬との決闘とかたぶん読んだ事のない女性にはチンプンカンプンでしょう。覇王色の覇気とかね。ここは原作ファンはにゃりなポイントのわけですけれども。一応、火山を爆弾で破壊して新世界を破壊する。それを阻止するための海軍、そしてZに取られたルフィの麦わらを取り戻す戦いというのが交錯しているのが本作です。Zとルフィの戦いとか360度CGが展開して凄いんです。さぁどうなんだという展開。申し分ないハラハラな展開です。でもね、火山の噴火で新世界が滅びるという展開は良いものの、それは置いてある伏線というだけで、本作ではそれほど重要ではない。Zとルフィを戦わせるための伏線に過ぎないわけです。結局、ストーリー的ではなく、アクション映画という域を出ないわけです。ストーリーとして「うわこの話は凄いわ」という事はないわけです。ある意味でワンピだから許せるスートリー。

例えば、ストロングワールドはナミが連れ去られて、しかも謎の病気によって荒廃した村であったり、尾田先生なりの込められたあの世界観があったわけです。本作も、元海軍の大将Zという設定は面白いですけど、最後のZとルフィの対決は迫力満点でいいものの、独特な世界観とは訴えかけはないですよね。ただ、これはアニメ映画として見るか、ワンピースの劇場版として見るかによって違ってくると思います。ONE PIECE映画だったら原作に近いもっと踏み込んだストーリーや言葉、世界観が欲しかったです。娯楽作品としては申し分ない完成度です。