劇場版前作見ているし、アニメ版も毎週かかさず見ているほどのコナンファンです。年1回のお祭り、劇場には時間が無くて行けなかったけれど、レンタル初日に借りて来て速攻で見ました。正直に感想を言えば、酷いとしか言えません。確かに、映像という意味ではかなり評価できますが、脚本がむちゃくちゃです。これは名探偵コナンを利用してコナン版のダイハードです。
●あらすじ。
日本で最も高い電波塔であるベリツリータワーの展望台に招待された蘭やコナンたちは、その高さから見える景色を楽しんでいた。一緒に招待された毛利のおっちゃんは高所恐怖症のため怖がっていたが、子供たちは大興奮だった。そんな時、観光客の一人が何者かによって狙撃され射殺される事件が発生する。そこに置かれた薬莢とダイスの目。そして次々に起こる連続射殺事件。ジョディやキャメル、そしてブラック。FBIが追っていた元SELSのメンバーが容疑者として挙る。犯人の目的、そして次々に射殺されていくターゲット。隠された謎、そしてあの出来事とは?●感想。
まずショックだった点は予告編が捏造だった事。YouTubeで「名探偵コナン 異次元の狙撃手 予告編」と検索すれば出て来ますが、そこでお馴染みの犯人の黒シルエットで「工藤新一遊びは終わりだ」という台詞が入るわけですが、ボクも驚きましたが本作には黒の組織は無関係。しかも、本編でその台詞もコナンが工藤新一だとバレるシーンも無い訳です。それを期待していった人にとっては殆ど詐欺ですよ。で、ストーリー的には殆ど謎解きは皆無です。推理というより、FBIや警察が得た情報をコナンが聞いて少し考えた程度。コナンの醍醐味って最初に数人の登場人物が登場して、事件が起こる毎に新犯人が暴かれていく。その推理が魅力でしょう。でも本作では最後の最後まで犯人は黒シルエット。中盤で良い意味で予想外な展開が起きるわけですが、犯人が最後までコナンや警察と絡むシーンが無いというのが凄い。で、本作の脚本はある意味で良いのかもしれません。米国の戦争での歴史や人を殺す事の意味を問いかける。その点では子供向けではなく、より大人向けの作品に仕上がっている。最近のコナンは大人向け、確かに最初にコナンを見た世代が30代もしかすると40代なわけですからね。でもやっぱり推理を楽しみたかった。
途中で連続殺人としてニュースで流れて首都が大パニックになる、2ちゃんねる風の書き込みを出してパニックを演出するわけですが、このとりあえず感がダサいです。
ただ、本作はストーリーと推理とかをすっとばしてラスト1秒で衝撃的な暴露があるわけです。本当に一瞬です。これは原作とアニメ版に関わる大きな事。ラスト1秒ですよ、そこで「うわっっっっそういう事だったのか!!」という驚きが待っている。たぶん、本作はこれを暴露するために作られた感が強いです。コナンと犯人が絡んで推理を語るシーンががないってたぶん本作が初めてじゃないかな?
次回はダイハード的なコナンではなく、ミステリーとしてのコナンを見たいな〜。