本作から初代監督のこだま兼嗣さんから、山本泰一郎さんにバトンタッチした1作目となります。Yahoo映画などでは酷評されてましたが、ボクは割と好きですね。密室という舞台を上手く行かせなかった「水平線の陰謀」と比較すると、極限状態の中でのサスペンスという点では上手いです。怪盗キッドが登場する作品の中では結構好きな方ですし、割と出演シーンも多いです。実は、あの人物に変装(?)する所が、コナンファンにとっては、ヒヤヒヤさせられるのです。

●あらすじ。

毛利探偵事務所に舞台女優の牧樹里が「Romeo Juliet Victor Bravo! 26の文字が飛び交う中 "運命の宝石"をいただきに参上する」という怪盗キッドからの予告状を持ってやってきた。毛利のおっちゃんは予告状の内容から劇中にキッドが変装して宝石を盗むのではないか?と推理した。舞台の日、怪盗キッドは宝石を盗まなかった。そのお礼と言って樹里は函館の別荘で開催される打ち上げに毛利のおっちゃんたちを正体した。そして函館に向かう飛行機の中で牧樹里は毒物によって殺害されてしまう。そして機長と副機長の身に異変が起こる。上空3000フィートで起こる絶対絶命の危機。コナンたちは乗り切る事ができるのだろうか?

●感想。

まず冒頭のシーンが結構好きです。いきなり本編には入らず回想シーンから入る。これは上手いな〜って思いました。アガサ博士に作ってもらったパラグライダーを駆使して、キッドを追いつめるシーンは冒頭から凄い展開です。汐留のビル群を抜けながら。たぶん、ここで「これはコナンじゃない」という人も多いと思いますが、こだま監督時代が割と硬派な推理物だったのに対して、山本監督は動の動きが上手いです。そして函館に向かう飛行機の中で起こる殺人事件。たぶん、ここで賛否が別れると思います。

まぁ確かに樹里が殺害されるんですが、その推理が超適当です。本当ならここで半分くらい進んでも不思議ではありませんが、割と前半で事件と犯人はあっさりと見つかります。物語の見せ場は、やはり上空3000メートルでの絶対絶命の展開。ある行動によって、機長と副機長にも毒が周り、操縦不可能に。そこに居合わせた怪盗キッドとコナンが何とか着陸をここりみる。しかし、途中で燃料漏れが発覚し、絶体絶命のピンチになる。ある事情から飛行機を離れたキッド、そして乗員乗客の命は蘭と園子の手にかかる事になった。

やはり最後の決死のランディングが本作の見せ場です。
エンディング後のお決まりの映像特典も見所です。

名探偵か?問われれば違うけれど、たぶんコナン劇場版の中で一番スリリングである事は間違いないです。確かに、14番目の標的でのヘリコプターの墜落もハラハラしたけど、それを何倍もスリリングにした所が本作です。