速読と言うと、誰もが憧れるスキルの一つです。あのビルゲイツも「人生で速読が得られなかった事に後悔している」という趣旨の発言をしているそうです。速読で有名な方法として「フォトリーディング」が有名です。文字を追うのではなく、写真のように切り取る。日本でも数多くのセミナーが開催されている速読術ですが、その一方で挫折する人も多いわけです。ボクも1冊を10分で読破する能力があったらいかに良いか、、とは常々思います。で、本書はそんな方に目から鱗を与える読書術を紹介します。

●「高速大量回転法」って?

著者が簡単に速読する方法として編み出した「高速大量回転法」という方法は、つまり大量に読む事。知識を得る事で速読を行う方法です。まぁ簡単に言えば、いっぱい知識があれば早く読めるよね、、という事です。はい、それはとてもごもっともです。例えば、六法全書を読むのには1ページに何時間もかかるけど、パスドラやモンストのモンスターの一覧表は一瞬で理解できる。というものです。それが何故早く読めるのか、という頭の中に既に情報があるからです。

本書ではまず目次とはじめにを何十回も読み返す事を推奨しています。まずは概要を掴んでから攻めるわけですね。

●速読だから内容が頭に入るとは限らない。

というのが、ボクが本書を読んで目から鱗が落ちた話です。速読は確かに便利ではあるものの、もの凄くスピードで読んだから=内容が頭に入るとは限らない。例えば、株の世界に例えればいいでしょう。株の本を大量に速読したからといって勝負に勝てるのかは分からない。逆に、1冊しか読んでなくても、本当の意味での極意を精読した者が勝てるというイメージです。

●速読が出来ないのではなく、読んでない。

著者が速読のセミナーで速読を学びたい受講者にこんな質問をしました。「今日、速読を学びたい人は?」当然、殆どの人が手を挙げるわけです。次に「今日、カバンの中に本が入っている人は?」と質問すると、殆どの人が手を挙げない。つまりは、速読云々ではなく、本に対する熱意が無いわけです。いっぱい読めば早く読めるが強引な本書の要約ですが、逆の意味ではいっぱい読んでない人は成果を出せない。それは珠玉全うな意見だと思いました。