ガンホーの決算が頭打ち、パズドラブームの終焉?株価ストップ安という情報が入って来た。詳細は他の記事に譲りますが、やはり1本のゲームで長期間稼ぐという事は難しいのでしょう。ユーザー数が2000万人を越えた?という情報もありますが、熱中するユーザーがいる一方で、1度触って飽きてしまうユーザーもいるわけですからね。で、僕が思ったのはスマホ用の「パズドラ」の終焉というよりも、ガンホーが今年の年末に発売を予定している3DS用の「パズドラZ」の方です。



発売前から注目を集めていて、既に予約している方もいるかもしれませんが、僕はこのゲームが「ガンホー」を滅ぼすのではないか?と思ってます。というのも、3DS参入はガンホーのビジネスモデルを根底から覆すからです。「パズドラ」の凄さっていうのは、やはり課金しなくても長期間遊べる事。コンティニューなどに使う「魔法石」で1個約100円を小さく積み重ねる事で、2013年1〜9月の9ヵ月間で売上高1162億円(前年同期比9.9倍)、営業利益685億円(28.5倍)という数字を叩き出しているわけです。



これはユーザー数2000万人で割ると、1人あたり650円ヶ月に課金している計算になります。まぁゲームの課金として納得のいく値段です。



●3DS版「パズドラZ」がガンホーを滅ぼす?



スマホ向け最大の強みは何と言っても、ダンジョンをユーザーの成長に合わせて追加できる事です。ユーザーが成長すれば、より強いダンジョンを。新規ユーザーが増えればより簡単なダンジョンを追加できる。これによって驚異的な熱狂を生み出し、倒せない敵がいれば魔法石でコンティニューする。これがガンホーにおける最大の利益の源泉だったわけです。



で、3DS版の「パズドラZ」が何か?と言えば、売り切りという点です。まだ詳細は分かりませんが、ダンジョンにおいては通信によって追加される事はあるでしょうが、現時点でアイテム課金を行わないと書かれています。ガンホーの森下社長曰く、「生涯顧客の創造」という事。つまり、子供にゲームのファンになってもらい、スマホを手にする年齢の時に再度、戻って来て欲しいというハッピーセット的発想があるそうです。



●広告費と300万人。



でも、この売り切りというのが怖いわけです。通常の「パズドラ」であれば毎月お金を入っていますが、DS版の「パズドラZ」は売った段階で終わりです。例えば、ゲームのヒットと言われる「100万本」。4400円のソフトだと44億円の売りの売り上げですが、まぁ色々と任天堂の取り分や原価を考えると、大雑把に見積もって半分くらいが入ってくると過程します。で、通常のパズドラの単価が650円と過程すると、22億円÷650円で、ソフトを売るよりも、約300万人新しい顧客を増やした方が得だという事が分かります。逆の意味では、ソフトを売るより、22億円をテレビCMに投下して300万人の顧客を増やした方がお得だと言えます。



パズドラZ最大のネックは、時間と金の制限が無いという事です。パズドラは一定量のプレイをすると、時間が回復するまでダンジョンで遊べない。という制限がありますが、DSの場合はおそらく制限はないでしょう。



●スマホからDSへシフトする?



そして、一番怖いのが「課金するの嫌だからDSで遊ぼう」というユーザーが出現する事です。僕の勝手な予想ですが、ファンは獲得できても長期的な意味で売り上げは減少するのではないでしょうか?コロプラの「黒猫と魔法使いのウィズ」や、モンハン4もそうですが、ゲームが必ずしも「パズドラ」だけとは限らないと思います。ゲーム1本であれだけ稼ぐのも凄いですが、パズドラの熱狂が今度も続くか?と言えば答えには疑問符が付きます。



僕の案では、現段階で投下できるだけ宣伝費を投下して、新しいゲームを提供するのが良いのかもしれませんね。