ニッポン放送買収、政界挑戦、時代の寵児と言われた男。そして、逮捕〜収監によって全てを失った男。そして人生は「ゼロ」になった。しかし、男はまた立ち上がる。福岡の田舎で生まれ、東大進学をきっかけに上京。勉強する事、そして人生に悩んだ。しかし、彼の人生はパソコン、インターネットを通じて一遍した。金の亡者、金で買えない物はない。メディアでは合理主義者として扱われた。本書のホリエモンからは、メディアでのホリエモン像とは大きく違う。いゃ元々堀江貴文という人物はこうだったのかもしれない。





ゼロにゼロを掛けてもゼロ。まずは少しずつでもいいので、1を足す事から始めようと綴る。小学生の頃に感じた「死への恐怖」それを仕事に没頭する事で抑制して来た。収監中も出所後も思っていた事、それは「働きたい」という思いだった。この本はある男が人生で学んだ事を、偽りの無い言葉で綴る。自己啓発とも少し違う。ビジネス書でも違う。ただ、多くの人に共感と感動を届けるだろう。

いまも昔も、僕はお金が欲しくて働いているわけではない。自分個人の金銭的な欲望を満たすために働いているわけでない。その程度のモチベーションだったら、ここまで忙しく働けないだろう。(中略)人生の中で仕事は最も多くの時間を投じるもののひとつだ。そこを我慢の時間にしてしまうのは、どう考えても間違っている。


お金=ホリエモンというイメージが強いが、ホリエモン自身、お金のために働いてた訳ではないという。お金で買えない価値がある。プライスレスという言葉もあるが、仕事が苦痛では、寝る時間が苦痛と同等のマイナスがある。

多くのビジネスマンは、自らの「労働」をお金に換えているのではなく、そこに費やす「時間」をお金に換えているのだ。
人生が豊かになっていかない根本的な原因は、なによりも「時間」だ。
お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事を変えていこう。儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう。


時間をお金に変える。その先に待っているものは何だろう?



●「やりたい事がない」は、真っ赤なウソ。



最近の若者は大きく分ける2種類に分類される。野心的な若者と消極的な若者だ。前者は良いとして、後者は「今、自分が何をやりたいか分からない」と言う。しかし、ホリエモンはそれに関して真っ向から否定する。例えば、よく話す例として、好きな女優の例がある。自分が好きな女優がいたとして、その人に会うためにはどうすればいいか?テレビ局に就職したり、映画会社に就職する方法がある。万人にやりたい事が無いというのはウソだったりする。

最初から「できっこない」とあきらめている。


起業に関しても消極的だが、現時点で喫茶店だって床屋だって経営者だ。大雑把に見積もっても20人に1人が経営者なのだ。



●貯金が無いと不安=自分に自信がない。



何故、多くの人貯金に走るのだろう?それは、自分に自信が無いからだ。お金があれば安心できる。逆に、自分に自信がある人は「自分に投資」する。「お金とは信用を具現化したもの」だとホリエモンは言う。お金で商品を買えても、友達や親友は買えない。例え全てを失ったとしても、信用さえあればまたもう一度復活する事ができるのだ。

10の信用があれば、100のお金を集めることができる。

けれど、100のお金を使って10の信用を買うことはできない。




●ゼロをイチへ。



一人だけ確実に自分を信用できる人がいる「自分」だ。そして、自分に寄せる強固な「信用」を自信という。
信用の「ゼロイチ」は、まず自分で自分を信じることから始まる。


●やりたいことは全部やれ!



人は「ここでいいや」と満足してしまった瞬間、思考停止に突入してしまう。
それは服装でもそうだ。結婚を機に服は奥さんが選んでくれる。これじゃダメなのだ。ユニクロでもいいので自分で選んだ物を着る。妥協にした瞬間にオヤジ化は始まるのだ。



ホリエモンは離婚している。合理主義者として知られる人物だが、そこには人間のとしての暖かい一面もある。結婚し、子供を授かった。よきパパとして、おむつを変えたり、子育てに参加した。しかし、会社が絶頂で仕事に没頭する日々がだった。よき家庭を作りたいと思っていた元奥さん。結果的に数年で終わった結婚生活。離婚して、広くなった部屋を見て涙を流したという。写真に写された笑顔の息子。意気消沈するホリエモンを救ってくれたのが仕事だった。



●塀の中についても自由だった。



自由とは心の問題なのだ


ホリエモンにとって自由とは働く事だった。

僕は死を忘れるために働き、死を忘れるために全力疾走し、死を打ち消すために生を充実させていたのだ。


自分の自信を付けるため、そして生き甲斐としての仕事。多くの人が仕事をお金を稼ぐための行為だと思っている人は多い。しかし、仕事を通じて自己実現する事。自分に自信を付けるために自己投資をする事。ゼロからイチへ。まずは少しずつでもいいので、増やす事。ゼロに何を掛けてもゼロ。ただ、その数字が増える事で、自分への自信が生まれ、人間として成長していくのだ。さぁゼロをイチに昇華させよう。