「マッド・デイモン」「レオルド・デカプリオ」という超豪華布陣で望む。奇才マーティン・スコセッシ監督作品で、香港で大ヒットした「インファナル・アフェア」のリメイク。第79回アカデミー賞で「作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞」を受賞した作品。随分前の作品ですし、リメイク元を見てない前提で話を進めます。いゃー、すごいです。一つ言っておくと、「インファナル・アフェア」ではそうなのかもしれないし、「ディパートテッド」ではそうでない可能性もあります。





警察学校を卒業した2人、ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)とコリン・サリバン(マット・デイモン)は刑事部へ配属となった。華やかな部署に配属されたコリンとは対照的に、ビリーにはある任務が命じられた。それはあるギャング組織に潜入し、ボスを逮捕する事。ギャングと裏で繋がったコリン。潜入する側と暴く側の思惑が交差する。



いゃーある意味で20世紀最大の問題作ですね。勿論、香港版もそうだと思いますが、救いようのないラスト。確実にハッピーではないけど、確実にバッドとも言えない。原作ではラストのその後が描かれる3作目があるそうですが、リメイク版ではあれで問題が解決したのか?というと疑問が残ります。



例えば、そもそも何故警察にコリンを潜入させたのか。物語終盤でああいう展開になったのた。裏で取引が円滑に進むようにコリンが暗躍するわけですが、正直に言えば警察である必要はありません。潜入したビリーに関しても、5年という歳月があるわけですが。どんな容疑でもいいので逮捕すればいいのでは?と思ってしまいます。結局、取引されとされるマイクロチップ(それが中国に売却されるとアメリカのミサイル防衛に関わる)についても、あやふやな展開になってます。



それで結局、正体が明るみに出る理由が「ある物が机の上に置いてあった」という事なんですが、そんなボンミスでバレちゃったのか!という事はある。5年はなんだったんだよ、という話です。ただ、本作の魅力はストーリー以前に、2人の手に汗握るサスペンスなわけです。いつ明らかになるんだ、という展開。この演出はすごいです。特に、2人が無言で携帯電話に出るシーンは注目です。



ディパーデッドつまり、「分かれたもの」、「死者の魂」という意味です。ビリーもコリンも薄々は死を覚悟していた。それは手紙を渡したシーンでも、自宅のドアに手を付くシーンで明らかですが、命令を受けた時点の2人は「死者の魂」になっていたのかもしれません。



小ネタとしてビリー・コスティガン役として、ブラッド・ピッドの予定があったそうです。残念ながら実現しませんでしたが、制作としてクレジットされています。