津田大介さんと言えば、言わずもがなネットでは有名人です。イベントや会議を実況する「tsudaる」の元となった人です。そもそもは音楽関係に強いライターさんなわけですが、そんな津田さんの情報収集法とネットメディアとの関わりをまとめたものが本書です。Twitterを初め、タイトルにもあるように「ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す」方法が紹介されています。
【目次】

プロローグ ツイッターで「人」を見抜く

第1章 [動かす]メディアはどこへ行く

第2章 [受ける]情報のチューニング

第3章 [発する]アウトプットの論点

第4章 [伝える]発信者として突き抜ける

第5章 [魅せる]メディア・アクティビストになる方法

第6章 [働く]あらためて仕事とは何かを考える

付録1 特別対談 アルゴリズムに支配されないために 川上量生×津田大介

付録2 特別解説 津田大介論、あるいはパーソナルメディアの誕生 島田裕巳

●デジタル・ディバイドとは?



まず、冒頭で前回の参議院選挙の話題に触れます。ネット選挙と呼ばれ、各候補がネットを活用した選挙戦が注目を集めましたが、蓋を開ければ史上3番目に低い投票率という結果。ネット民の多くが、なぜ?とクビを傾げたわけですが、その理由を津田さんは「デジタル・ディバイド」だと説明します。つまり、Twitter上で熱心につぶやく人は関心が高い層だ。という事です。全国的に見れば、「mixi」が根強い地域もあるわけで、これがTwitter等の性質でもあります。



●電子書籍が高いのは何故か?



紙の本と比べるとコストの低い電子書籍。しかし、蓋を開ければリアル本と電子書籍ではそれほど価格が違わない場合が多い。リアル本は中古で流通する一方で、電子書籍は売る事ができない。それについて津田さんは「電子書籍の値段は紙の本の半額でいい」と言います。では何故、日本の電子書籍が高のか?というと、間に印刷会社や取り次ぎを通している点です。それについては、「電子書籍は著者と出版社でつくり、利益を分け合うのがいいのではないか」と言います。出版者が恐れている事は、iTunesのように破壊的な価格で販売される事です。



●ネットメディアとマスメディアはどちらが正確か?



マスメディアを通じて報道される情報の95%は正しいとしつつ、津田さんはネットメディアの問題をこう表現します。
なぜマスコミが「マスゴミ」と揶揄されるのか。正確な情報を報道する一方で、「報道しない」情報もあるからです。それは広告主への配慮かもしれないし、宗教がらみのややこしい問題を避けるためかもしれない。とにかく、ある種の「タブー」もしくは過激な配慮による「自主規制」は確実にある。ところがネットには、そうしたしがらみがない。(中略)情報の真偽はさておき、マスコミが扱いにくい問題を取り上げることができる。この点だけを見て「ネットには真実がある」と思い込んでしまう人が出てくるのでしょう。

●良い文章を書く秘訣。

論評やルポタージュを書くときに個人的に気をつけいるのは、「ファクト」(事実)と「オピニオン」(意見)のバランスですね。基本は7〜8割をファクトで埋める。その上でオピニオンは2〜3割にする。

●スペシャルな分野を複数持つ。



高城剛さんの本を引用しながら「スペシャリストやゼネラリストか」という対立は終わっていると言います。つまり、今の時代は「スペシャルを複数持つものを勝つ時代」だと。それは2006年の段階で言われているわけですが、その上でスペシャリストになる方法として、知らない事は専門家に聞いてみよう。そして、輪郭が掴めてきたら、本などで勉強し、また同じ質問を繰り返してみる。この繰り返しの違いだと言います。



●集合知で動く時代



集合知で動く世界を「アルゴリズムに支配された社会」だと言っているのは面白いと思いました。質問をベースに展開される本ですが、どこか僕らの一歩や二歩先を行ってます。ただ、追いつけない距離ではない事も事実だと思いました。