今、持っているアップルに対する疑問が一気に解けます。
アップルと言えば、製品としての「iPhone」そして天才経営者として知られる「スティーブ・ジョブズ」がクローズアップされる。しかし、iPhoneには多くの日本メーカーが部品を提供しています。アップルが巨額な利益を稼ぐ背景には、その圧倒的な商品力以上に、その圧倒的な影響力を忘れてはなならい。小型モーターのシコーという会社の例が紹介されてますが、設備の増強をしてもアップルの一存で、それは中国メーカーの仕事になるかもしれないし、コストの安い競合メーカーに移転するかもしれない。アップルはアメリカ企業でありながら、中小零細まであらゆる部品メーカーのデータを持っている。
●アップルが革命を起こしたサプライチェーンという発明。
アップルが発明した物は勿論、「iPhone」であり「iPad」であるわけだが、実際に発明した物は極度に洗練されたサプライチェーンなのかもしれない。必要な部品を低価格で、そして低賃金で生産し、その何倍の価格で販売する。ある意味で、画期的な発明はこちらなのです。
「彼らは、自分たちをシャネルか、ルイ・ヴィトンだと思っているんですよ。」
と、某家電量販店の元幹部の話。
実際、アップルストアの1平方フィート(約30センチ四方)の売り上げでは、アップルが(約35万円)とティファニー(約24万円)やコーチ(約14万円)の売り上げを越えている。アップル製品が売り筋である事は間違いない。しかし、日本の家電量販ではアップルの製品で殆ど利益は出ないといいます。基本的に量販店が販売での利益は30%が相場だそうだが、アップル製品の利益は5%〜10%ほど。しかも値引き販売が基本的に禁止されている。独禁法にひっかかるが、その場合はしれ〜っと「在庫が無くなった」という口実を作って、その店での販売を中止するそうです。
●iPhoneで儲からないケータイキャリアの憂鬱。
iPhoneに関しても、端末販売は殆どの利益が出ないらしい。嘘か本当か知らないが、アップル側から「iPhone用のケースで儲けてください」といった話も漏れ聞こえてくる。
iPhoneを契約する携帯キャリアの事情も、その帝国ぶりを誇っている。世間的に見ると、SoftBankやauはiPhoneでさぞ儲かっているように見える。しかし、実情は少し違うようだ。
●アップル最大の発明はiPhoneではなくシステム?
本書の最後に著者は「製造技術からソフトウェアの新潮流まで、貪欲に吸収しつづけることで、世界中をカバーする素晴らしい情報ネットワークを築いていることです。これは一つの「インテリジェンス(知性)」と言ってもいいのかもしれない」と締めくくっている。アップルの凄さは製品の素晴らしさ以上に、緻密で貪欲に構築されたシステムなのかもしれない。ただしかし、その上で、今後アップルが持続的に成長できるかどうかは、やはり革新的な製品を世に問えるのか?だと思います。製品があってこそのサプラチェーンだと思いました。
アップルと言えば、製品としての「iPhone」そして天才経営者として知られる「スティーブ・ジョブズ」がクローズアップされる。しかし、iPhoneには多くの日本メーカーが部品を提供しています。アップルが巨額な利益を稼ぐ背景には、その圧倒的な商品力以上に、その圧倒的な影響力を忘れてはなならい。小型モーターのシコーという会社の例が紹介されてますが、設備の増強をしてもアップルの一存で、それは中国メーカーの仕事になるかもしれないし、コストの安い競合メーカーに移転するかもしれない。アップルはアメリカ企業でありながら、中小零細まであらゆる部品メーカーのデータを持っている。
●アップルが革命を起こしたサプライチェーンという発明。
アップルが発明した物は勿論、「iPhone」であり「iPad」であるわけだが、実際に発明した物は極度に洗練されたサプライチェーンなのかもしれない。必要な部品を低価格で、そして低賃金で生産し、その何倍の価格で販売する。ある意味で、画期的な発明はこちらなのです。
「彼らは、自分たちをシャネルか、ルイ・ヴィトンだと思っているんですよ。」
と、某家電量販店の元幹部の話。
実際、アップルストアの1平方フィート(約30センチ四方)の売り上げでは、アップルが(約35万円)とティファニー(約24万円)やコーチ(約14万円)の売り上げを越えている。アップル製品が売り筋である事は間違いない。しかし、日本の家電量販ではアップルの製品で殆ど利益は出ないといいます。基本的に量販店が販売での利益は30%が相場だそうだが、アップル製品の利益は5%〜10%ほど。しかも値引き販売が基本的に禁止されている。独禁法にひっかかるが、その場合はしれ〜っと「在庫が無くなった」という口実を作って、その店での販売を中止するそうです。
●iPhoneで儲からないケータイキャリアの憂鬱。
iPhoneに関しても、端末販売は殆どの利益が出ないらしい。嘘か本当か知らないが、アップル側から「iPhone用のケースで儲けてください」といった話も漏れ聞こえてくる。
iPhoneを契約する携帯キャリアの事情も、その帝国ぶりを誇っている。世間的に見ると、SoftBankやauはiPhoneでさぞ儲かっているように見える。しかし、実情は少し違うようだ。
iPhone5の場合、実質無料となる本体価格は(中略)16GBのモデルではソフトバンクが5万1360円(中略)そして、複数の通信関係者への取材を通して明らかになったのは、少なくともソフトバンクの場合、アップルに対して端末1台当たりに支払う額は、この無料分の5万1360円よりも高いということ。その上で、アップル対して月々の契約金から一定の金額を支払う必要があるそう。
iPhoneの場合には、これ(助成金)をキャリアがアップルに対して支払うのが特徴だ。米ダウ・ジョーンズによると、米国でのサブシディは、iPhone5の場合1台当たり425ドル(約3万8000円)に上り、キャリアの収益発生までには9ヶ月もかかる計算だ。世界最大の携帯問屋をソフトバンクが買収した背景には、影響力を少しでも高くして端末を安価に仕入れる戦略があったのかもしれない。そう考えると、あの買収も納得が行く。
●アップル最大の発明はiPhoneではなくシステム?
本書の最後に著者は「製造技術からソフトウェアの新潮流まで、貪欲に吸収しつづけることで、世界中をカバーする素晴らしい情報ネットワークを築いていることです。これは一つの「インテリジェンス(知性)」と言ってもいいのかもしれない」と締めくくっている。アップルの凄さは製品の素晴らしさ以上に、緻密で貪欲に構築されたシステムなのかもしれない。ただしかし、その上で、今後アップルが持続的に成長できるかどうかは、やはり革新的な製品を世に問えるのか?だと思います。製品があってこそのサプラチェーンだと思いました。