若者のテレビ離れが久しいとニュースやTwitter等で聞きます。「おもしろい番組がない」「自分の観たい時間に観たい番組が見られない」など諸事情はあると思います。この流れは一過性のものなのか、若者は二度とテレビに戻って来ないのか?フジテレビで「THE MANZAI」や「SMAP×SMAP」などを立ち上げた著者が語るバラエティの未来を綴る。



●バラエティがテレビを滅ぼす。



最近になって「ひな壇芸人」に代表されるバラエティ番組が増えた。その背景には、最低でも1話8000万円かかるドラマに対して、2000〜3000万円で制作できるバラエティが重宝されている点です。昔は10%取れれば打ち切りだった時代に、今は10%〜15%取れれば御の字という所だろう。著者である佐藤氏は、低俗なバラエティの未来にテレビの将来、はては芸人の未来は無いというのです。



●ゴールデン枠に鑑賞に堪える番組が無い。



ひな壇芸人の供給源はネタ見せ番組だった。NHKの「爆笑オンエアバトル」フジテレビの「爆笑レッドカーペット」など、その番組がこぞって視聴者から飽きられている。中高年からの批判はあるが、若者は既にテレビから離れつつある。笑うのは、テレビではなく、YouTubeのHIKAKINさんや瀬戸さんだったりするわけだ。若者には携帯やスマホといった多様は娯楽に耐えるコンテンツが無数に存在しています。若者は静かにテレビの電源を消し、いつの間にか部屋からテレビが消えている。それは単にネットの普及以前に、テレビがつまらなくったからだと思います。



ボク自身もテレビっ子ですが、「今日これが楽しみだなルンルンル」って思う番組は「世界の果てまでイッテQ」と「アメトーーク」くらいしかない。ちなみに、どちらも高視聴率を獲得している事は付け加えておきます。



●制作費が無くても面白い番組は出来る。



これは面白い指摘だと思いました。現在、テレビの一方の制作費はビークの3000万円から2000万円に下がっている。しかし、ひな壇芸人に払うギャラは高騰しているそうです。伝説的番組「夢で逢えたら」の1回の制作費が300万円。ダウンタウンへのギャラが10万円そこそこだったそうです。しかし、今では若手でも人気芸人なら50万円。それをひな壇に何人も配置する事対して、佐藤氏は「お金の使い方が間違っている」と指摘しますが、まさにその通りのだと思います。



最後に佐藤氏は、テレビマンが代わりは誰でもいる。誰を選んでも同じだと思ったら終わりだと言っている。やはりテレビは人が作るものであって、テレビをつまらなくしているのは若者ではなく、作り手のテレビマンなのでしょうね。やはり、ドリフに対するひょうきんがあったように、切磋琢磨する環境は大切だと思います。