超人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版8作目。ドラえもんやクレヨンしんちゃん同様に、年1の風物詩となりつつある。本作では劇場版「世紀末の魔術師」以来となる怪盗キッドが大活躍する作品です。前もって言っておくと、Yahoo映画やAmazonのレビューで酷評されているように、本作ではコナンの代名詞である謎解き要素は殆どありません。お決まりとして殺人はあるものの、えっこんな解決?といったあっけない感じて解決します。そこに賛否がある。ただ、本作の魅力は推理やミステリーではなくパニックアクションなわけです。たぶん、劇場版コナンで一番ハラハラドキドキさせてくれる作品です。



●あらすじ。



毛利探偵事務所に舞台女優である牧樹里がやってきた。怪盗キッドから彼女が持つ宝石「スター・サファイア」を盗むという予告状が届いた。予告状に記された「Romeo Juliet Victor Bravo! 26の文字が飛び交う中 "運命の宝石"をいただきに参上する」という言葉。舞台の打ち上げのため函館に向こうコナンたちと劇団員の面々。その飛行機で起きた殺人事件。そんな時、機長たちに異変が起きた。パニックになる機内。

飛行機の運命は蘭の操縦にかかっていた。



●感想。



監督が初代のこだま兼嗣さんから山本泰一郎さんにバトンタッチ。そのため、作風が少し変わっている。推理という点で殆ど見せ場はない。犯人に同情する余裕もないし、あっけなく解決する。本作の魅力は生死をかけたパニックアクションにあると思う。機長たちが操縦不能になり、コナンと怪盗キッドが飛行機を操縦する。次々に起こるハプニング。



結局、映画版の蘭の新一に対する鬱的な展開があまり好きではないものの、怪盗キッドが良い味を出していたと思う。コナンの「お前キッドだろ」という展開は結構好き。ただ、新一とキッドの声優が同じ山口勝平さんなので、少し戸惑う部分もあった。推理という点で評価できないものの、新しいコナン作品として評価できる。飛行機が無事着陸した時には「うわ〜よかった」という感想を率直に抱く。名探偵コナンの劇場版は子供向けとは思えない完成度を誇っている。大人が見ても十分に楽しめると思います。



本編のクライマックスではないものの、冒頭の「コナンVSキッド」の対決のシーンは好きだな〜。