山田洋次監督の、藤沢周平原作の3部作のラストを飾る作品。主演がSMAPの木村拓哉さんという事で、色眼鏡的に批判的な意見も多いと思う。やはり最近の木村拓哉主演作品(ドラマも含めて)は、「豪華な役者で周りを固めているだけ」といった批判もある。ただ、本作ではSMAP臭を一切させる事なく、下級武士、そして役者木村拓哉の良さが全面に出ている。



武士の一分 [DVD]
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松竹 (2007-06-01)
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本作は他の時代劇に比べると派手さは殆どない。主要キャストは主人公の三村新之丞(木村拓哉)と妻の三村加世(檀れい)そして、中間の徳平(笹野高史) と敵役の島田藤弥(坂東三津五郎)で構成される。そして、この作品の一番の魅力は何と言っても丁寧に描かれた日常だったりする。特に、食事のシーンには山田洋次監督の並々ならぬ拘りを感じた。決して、派手な食事ではない。漬け物とみそ汁と御飯くらいしか無い質素な食事だけれども、それを丁寧に描いている。



それを丁寧に描く事で、それを汚された島田藤弥(坂東三津五郎)への武士の一分も際立つというものだ。結局的に終盤の決闘のシーンは見物ののであるものの、本作の見所はやはり食事のシーンだと思う。最近は家族バラバラで食事をするという光景も当たり前になりつつあるけど、小さな幸せ、やはり食事という行為に対する山田洋次監督の並々ならぬ思いを感じた。



えーっSMAPのキムタクでしょ、時代劇?



という思いを抱く人も多いと思いますが、完全に予想を裏切られるます。

機会があれば是非、ご覧ください。