なるほど、これは硬派な読書術ですね。読書術に関する本は沢山出版されています。それこそ、読書初心者のための簡単な物から古典的なものまで。本書にも全ての読書術の本にも共通する事ですが、「本を読む事が人生を好転させる一番の近道」。例えば、本書では、それについて以下の答えが出されています。
「読書こそが、激動の時代を自由に生き抜く術を身につけるための、最良にして最短の道である」
と、、。



●リベラルアーツとは?



本書の主題は読書術でありますが、普通の読書術とは少し違います。簡単に言えば「リベラルアーツ」といった考え方に基づいている点です。じゃあリベラルアーツって何なの?とういうと、古代ギリシャ時代に考え出された「自由に生きるための方法」みたいなものです。もっと難しく言えば、あのプラントのによると「奴隷状態から抜け出した、哲人政治における理想のリーダーがそなえた素養」これが、つまりはリベラルアーツだと。自由に生きるための読書=リベラルアーツ。これが本書のテーマです。



●現代を生きるために必要な6つの分野。



1.先進課題

2.先端科学・数学・哲学

3.宗教・思想・文化・歴史

4.経済・金融

5.政治・外交・地域研究

6.コミニュケーション能力



●アウトプットのない読書は時間の無駄である。



これは個人的に共感できた部分です。確かに、大量のインプットをする事は大切ですが、ただ読んだだけで満足していては、それは「浪費」でしかありません。本書ではさらに「書評を書く事は最高の読書術である」と綴っています。



●アメリカのエリートはどうやって大量の情報を処理しているのか?



基本はパラグラフリーディングだと言います。つまり、目次と「はじめに」「あとがき」といった要点だけでを抑えておく。アメリカの名門大学では本当に大量の読書課題が出されるそうです。日本人は月に1冊も読まないと衝撃的なデータもありますが、ただの娯楽本ではなくアメリカの大学では専門的な課題図書を大量に読む必要があります。



●中身は高級で紙も高級。



前半は読書術、そして後半は各種著名人の読書術とおすすめ本の紹介になってます。ただ、一つ言えば、レベルは高いものの中身は薄い印象です。勿論、おすすめ本を知った事の価値は大きいですが、前半の読書術はちょこっとです。著名人の読書術も賛否がるでしょう。全てにおいて高級これが本書の感想です。