デイヴィッド・オグルヴィの「ある広告人の告白」は世界的な名著で広告関係者ならずとも一度は読んだ事があると思います。その女性版(タイトルから分かるように、明らかに前著を意識している)です。時代は女性雇用均等法が施行された時期と重なる。今では女性が社会に出て行く事は当たり前ではあるものの、当時の女性社員の大きな役割はコピー取りやお茶汲みだった。芸大を出ても女性は日本の広告業界でデザイナーとしては働けなかった。その点では進んでいた海外の広告会社に著者は入る事になる。



時はまだ結婚式が結納という方式を取っていた時代。結婚指輪にダイヤモンドを送る習慣は無かった。そんな折、デビアスという宝石会社の依頼で日本にダイヤモンドの指輪を普及させるための広告作りが始まった。今でこそ給料3ヶ月分という当たり前すぎて逆に恥ずかしいフレーズがあるけど、これも明確なマケーティングによって導きだれた額だそうです。例えば、昔は新郎から新婦側に結納返しといってお返しをする風習があった。その額が当時の給料3ヶ月分だったそうです。郷ひろみが二谷友里恵と結婚した時、「給料3ヶ月分です」といった発言から世間には定着するわけですが、そういた裏話も面白いです。



本書では冒頭では女性の社会進出に関する本かと思ってましたが、本書の主題は女性ではなく、「外国人と日本人の広告における価値観の違い」「国による価値観感の違い」です。残念ながら、読者を高揚させるほど衝撃的な話はないものの、「わび」「さび」の箇所についてはなるほど、と思いました。



2007年出版なのに、Amazonのレビューに星が一つも付いてないのが気になりました、、