脚本にテレビドラマ『相棒』や『ATARU』を手がけた櫻井武晴氏を起用。ここ最近の劇場版コナンは「11人目のストライカー」「沈黙の15分」などコナンというよりダイハードのマクレーン(ブルース・ウィリス)といった感じで原作のミステリーっぽさとはかけ離れた駄作が多かったですが、本作はここ数年のコナン作品では群を抜いていいです。舞台は海上のイージス艦。そこで起こるある事件にまつわる物語。脚本が変わると、ここまで良いのかという例ですね。
早朝、京都府の舞鶴湾で巡回中の海上保安官によって自爆用の爆弾を積んだ1隻の不審船が発見される。コナンたちは海上自衛隊保有のイージス艦「ほたか」の見学ツアーに参加していた。見学が進む途中、突然不審船が発見された。演習ではなく本当の緊迫体制。それと時を同じくして、イージス艦の戦隊から海上自衛隊の隊員と思われる遺体の腕の部分だけが発見される。女性自衛官の藤井七海(柴咲コウ)は海上自衛隊、そして国防に関わる事件を担当していた。イージス艦に乗船している某国のスパイであるエックス(X)にまつわる物語。
まずこれは最初に言っておきますが、奇麗に始まって奇麗に終わります。やっぱりテレビドラマで鍛えられた脚本家だけあって、上手いですね。冒頭の何気ない時計のシーン。そして、毛利のおっちゃんの何気ない行動が最後に繋がる。これは脚本家魅了に尽きます。本作は今までのコナン作品が子供向けの作品だったのに対して、かなり大人向けです。小学高学年。小学校低学年では内容を理解する事は難しいかもしれない。「ある殺人事件とイージス艦の情報を狙う某国のスパイ」という物語なのです。興行収入は過去最高の36億円という事で大ヒットです。
ただ、これは正直に言うと「コナンの顔をした商業映画」だと思いました。勿論、駄作でなく良作である事は間違いありませんが、まず不満点として「こじんまり感」が半端ないです。基本的に殆どのシーンがイージス艦の中。途中で活躍する平次とアガサ博士が京都や大阪で活躍する場面がありますが、それ以外は狭いイージス艦の中です。で、某国のスパイ「エックス」は割と早い段階で凡人でも分かります。というか、ありありとしてます。だって、登場人物が20人くらいしか居なくて、怪しい奴って言ったら、あの人しか居ないでしょ?
脚本という点で評価は高いですが、こと謎解きに関しては少し中途半端だと思いました。明らかに「エックス」に対して「お前がエックスだろ」的な事を言うわけですけど、すべってます。謎解きに関しても、殆どがコナンの手ではなく何となくの雰囲気で片付く。これは言っては失礼かもしれませんが、本作の重要キャラとなる藤井七海(柴咲コウ)ですが、全編通して考えると必要だったのか?と思いますね。もう一つの殺人事件に関してもっと深い配慮が欲しかった。ここ最近のコナン。特に、毛利のおっちゃんは、神谷明さんから小山力也さんに変わってからキャラがぶれぶれです。これは本作もそう。一応、本作でも眠りの小五郎健在なわけですが、予定調和感が半端ないです。
ただ、最後のシーンは手に汗握る展開。蘭がああなって、そして最初のあれがああなって、、。イージス艦が本作の舞台になった理由も明らかになる。コナンが涙を流すのはシリーズで始めてだと思います。とりあえず、ここ最近のコナン作品としては名作ですし完成度も高いです。むしろ大人の方が見ると良いと思います。
●あらすじ。
早朝、京都府の舞鶴湾で巡回中の海上保安官によって自爆用の爆弾を積んだ1隻の不審船が発見される。コナンたちは海上自衛隊保有のイージス艦「ほたか」の見学ツアーに参加していた。見学が進む途中、突然不審船が発見された。演習ではなく本当の緊迫体制。それと時を同じくして、イージス艦の戦隊から海上自衛隊の隊員と思われる遺体の腕の部分だけが発見される。女性自衛官の藤井七海(柴咲コウ)は海上自衛隊、そして国防に関わる事件を担当していた。イージス艦に乗船している某国のスパイであるエックス(X)にまつわる物語。
●感想。
まずこれは最初に言っておきますが、奇麗に始まって奇麗に終わります。やっぱりテレビドラマで鍛えられた脚本家だけあって、上手いですね。冒頭の何気ない時計のシーン。そして、毛利のおっちゃんの何気ない行動が最後に繋がる。これは脚本家魅了に尽きます。本作は今までのコナン作品が子供向けの作品だったのに対して、かなり大人向けです。小学高学年。小学校低学年では内容を理解する事は難しいかもしれない。「ある殺人事件とイージス艦の情報を狙う某国のスパイ」という物語なのです。興行収入は過去最高の36億円という事で大ヒットです。
ただ、これは正直に言うと「コナンの顔をした商業映画」だと思いました。勿論、駄作でなく良作である事は間違いありませんが、まず不満点として「こじんまり感」が半端ないです。基本的に殆どのシーンがイージス艦の中。途中で活躍する平次とアガサ博士が京都や大阪で活躍する場面がありますが、それ以外は狭いイージス艦の中です。で、某国のスパイ「エックス」は割と早い段階で凡人でも分かります。というか、ありありとしてます。だって、登場人物が20人くらいしか居なくて、怪しい奴って言ったら、あの人しか居ないでしょ?
脚本という点で評価は高いですが、こと謎解きに関しては少し中途半端だと思いました。明らかに「エックス」に対して「お前がエックスだろ」的な事を言うわけですけど、すべってます。謎解きに関しても、殆どがコナンの手ではなく何となくの雰囲気で片付く。これは言っては失礼かもしれませんが、本作の重要キャラとなる藤井七海(柴咲コウ)ですが、全編通して考えると必要だったのか?と思いますね。もう一つの殺人事件に関してもっと深い配慮が欲しかった。ここ最近のコナン。特に、毛利のおっちゃんは、神谷明さんから小山力也さんに変わってからキャラがぶれぶれです。これは本作もそう。一応、本作でも眠りの小五郎健在なわけですが、予定調和感が半端ないです。
ただ、最後のシーンは手に汗握る展開。蘭がああなって、そして最初のあれがああなって、、。イージス艦が本作の舞台になった理由も明らかになる。コナンが涙を流すのはシリーズで始めてだと思います。とりあえず、ここ最近のコナン作品としては名作ですし完成度も高いです。むしろ大人の方が見ると良いと思います。


