発売から1年以上が経っても未だにAmazonのマーケットプレイスで高値を維持する本。普通、リアル本というのは駄本であれば1年で中古の1円も珍しくもないですが、この本は1年が経っても中古で7割近い価格を維持してます。著者は「東洋経済」のウェブ版で編集長を勤める。たった4ヶ月でページビュー数を5000万回に増やし、経済サイトでトップに伸し上げた立役者です。

簡単に要約すれば、本書は新聞や雑誌は生き残っていけるのか?という事を欧米のメディア、そして旧来のメディアと比較しながら紹介する本です。すごいよー、この本。改めて、はっ世間一般に言われているメディアの事と全然違うじゃないかっ!と思いました。あれは偽物でこっちが本物みたいな?


●アメリカのメディアが衰退する理由。実は日本の新聞は生き残る?


アメリカのメディアの衰退が激しい、特に新聞が突出した衰えているというニュースは、漠然と入ってくる。ニューヨークタイムズが危ないとか、大量の記者がレイオフされているとか。実は、日本の新聞と欧米の大きな違いは収益モデルです。

欧米の多くの新聞は広告モデルを採用しているわけです。新聞は限りなく安く売って、広告で儲ける仕組みでんがな。その広告がリーマンショックによる景気後退や、GoogleのアドワーズやFacebookに流れるている。これがヤバい理由です。

逆に言えば、日本の新聞は世間が思っているほど悪くない。じいちゃんが夜なべをして〜新聞を読んで〜老眼になった〜みたいな感じで、若い1人暮らしならともかく、大抵の過程には新聞が届きます。これが日本の新聞の超強みなわけですね。

それに広告にそれほど依存していない。大体3割程度です。確かに、じっちゃんやばっちゃんに読者層が偏っている。あんちゃんはグノシーとかスマートニュースとかでニュースを知っている。あっYahooニュースという手もあるね。今の情報源はミヤネ屋かYhaooトピックスだから。

●アメリカの新聞が取った有料戦略。


これが面白いわけです。

アメリカも新聞もニューヨークタイムズとか、一時期は無料で記事を公開して広告収入で儲ける戦略を取ってました。でも、これが失敗だった。まずね、紙の新聞とネットでは広告単価がまったく違う。

アドネットワークって本書では書かれているけど、ネットで広告が売れなければ、一括でまとめて安く買いたたかれるシステムがある。まぁゲームのワゴンセールみたいなもんさ。

そこでアメリカの新聞はネットで無料で公開する事をやめつつあるわけです。
そこで登場するのが有料化戦略です。それは、メーター方式というもの。

1.1ヶ月間に一定本数(たとえば10本)だけが無料で読める。
2.一定本数を越えた場合、有料会員にならないと、それ以上の本数を読めない。
3.有料会員になれば、あとは読み放題。100本でも1000本でも読める。
4.検索エンジン、ソーシャルメディア経由で拡散された記事は無料で読み放題。
5.デジタル版の有料会員料金は、紙の購読料よりも安いケースが多い。


成功例としては、フィナンシャルタイムズやウォールストーリージャーナル。日本で言うと「日経新聞」のように、経済系は強いようです。

●これからの時代に残るジャーナリスト。


簡単にイメージを伝えれば、津田さんような感じですかね。国境を越える力、そして万能性。逆の意味では、昔は新聞社や出版社という狭き門をくぐった人間でしか物を公開できなかった。

でもネット時代の到来によって知識と行動力さえあればメディアから収入を得る事ができる。これを良い時代か悪い時代かと取るかは、FREEDAM、自由だーっ、じゃーなりすといずふりーだむ。