サンデル教授以降、この手の○○大学物は数多く出版されました。まぁそれ自体は別に悪い事ではないと思いますが、本書はその中でも当たりです。
日本のエネルギー問題。それは3.11以降に突出して起こった問題です。でも、議論の大半が「企業や電気代の事を考えると、原発は再稼働させるべきだ。原発は安全てある」という派と「いゃいゃ原発は危険、電力は太陽や風力に以降すべきだ」という、方や産業界、方や孫正義的な二元論になってしまってます。
本書はエネルギーというテーマを扱いながらも、アプローチがまったく違う。親原発、反原発ではなく、客観的な視点で今後のエネルギー問題を語っている。
例えば、前もって言うと、現在注目されている電気自動車もバッテリーの問題で爆発的な普及は無いだろうと断言しています。地熱や波力もダメで、人類が目指すべき方向は自然エネルギーではなく、現在ある技術を使って極力最小限のエネルギーコストで運用できるものがベストであると言っています。
以下、簡単に本書の内容を備忘録的にまとめておきます。
●原発と地球温暖化について。
・原発事故は悲劇できあるものの、放射能で死ぬ人間は限られている。世界的に見ると原発は建設ラッシュであって、そもそも原発の構造上、原発で核爆発が起こる危険性は低い。
・今後、中国や新興国の発展によって、大部分のCO2は中国や新興国が出す事になる。
・先進国がする事はCO2の削減ではなく、今ある技術を安価な価格で新興国に提供する事である。
・放射性物質を地中に埋めると10%の漏出が起きる可能性が10%ある。
・しかし、それは地中深くに埋めれば問題はないレベル。
●エネルギー全般について。
・最高のエネルギーは発電ではなく、省エネによって生み出される。
・エネルギーの危機は起こってない。起こっているのは、輸送燃料の危機。エネルギーが不足しているわけではない、化石燃料も不足していない。不足しているのは液体燃料である。
・アメリカ国内に埋蔵されているシェールオイルは200年分の量を持つ。
・原子力でも太陽でもなく今一番手っ取り早く効果的なエネルギー政策はエネルギーの効率化である。
・バスなどの公共交通機関は大量の輸送が可能始めて効率的。小さな農村などでは逆効果。
●代価エネルギーについて。
・太陽光は初期コストが非常に高い。太陽熱でお湯を温めるレベルでは使えるが、それが主電力となる可能性は低い。
・インバーターの技術が進歩すれば、太陽発電も魅力的か?
・中国の太陽パネル製造量(8分の1ギガワット)と石炭発電所(年平均50ギガワット以上)では差がありすぎる。
・風力発電は魅力で価格も下がっているが、天然ガスが天敵となっている。
・一部の風力施設が停止しても、複数からの発電があれば電力は安定する。
・電池の技術が進歩したのではなく、電池の市場が拡大しただけ。
●代価エネルギーのまた代価。
・ガソリン1ガロンのエネルギーは水素だと10ガロンになってしまう。
・水素を液化すれば体積は同じになるものの、超低温が必要。
・自動車メーカーは本気で水素を普及させる気がない。
・電気自動車はバッテリー寿命が500回までだという事を隠している。本体を含めて、電池交換だけで何百万円の費用がかかってしまう。
・ハイブリット車は将来的に魅力のある市場である。
という簡単なまとめでした。
日本のエネルギー問題。それは3.11以降に突出して起こった問題です。でも、議論の大半が「企業や電気代の事を考えると、原発は再稼働させるべきだ。原発は安全てある」という派と「いゃいゃ原発は危険、電力は太陽や風力に以降すべきだ」という、方や産業界、方や孫正義的な二元論になってしまってます。
本書はエネルギーというテーマを扱いながらも、アプローチがまったく違う。親原発、反原発ではなく、客観的な視点で今後のエネルギー問題を語っている。
例えば、前もって言うと、現在注目されている電気自動車もバッテリーの問題で爆発的な普及は無いだろうと断言しています。地熱や波力もダメで、人類が目指すべき方向は自然エネルギーではなく、現在ある技術を使って極力最小限のエネルギーコストで運用できるものがベストであると言っています。
以下、簡単に本書の内容を備忘録的にまとめておきます。
●原発と地球温暖化について。
・原発事故は悲劇できあるものの、放射能で死ぬ人間は限られている。世界的に見ると原発は建設ラッシュであって、そもそも原発の構造上、原発で核爆発が起こる危険性は低い。・今後、中国や新興国の発展によって、大部分のCO2は中国や新興国が出す事になる。
・先進国がする事はCO2の削減ではなく、今ある技術を安価な価格で新興国に提供する事である。
・放射性物質を地中に埋めると10%の漏出が起きる可能性が10%ある。
・しかし、それは地中深くに埋めれば問題はないレベル。
●エネルギー全般について。
・最高のエネルギーは発電ではなく、省エネによって生み出される。・エネルギーの危機は起こってない。起こっているのは、輸送燃料の危機。エネルギーが不足しているわけではない、化石燃料も不足していない。不足しているのは液体燃料である。
・アメリカ国内に埋蔵されているシェールオイルは200年分の量を持つ。
・原子力でも太陽でもなく今一番手っ取り早く効果的なエネルギー政策はエネルギーの効率化である。
・バスなどの公共交通機関は大量の輸送が可能始めて効率的。小さな農村などでは逆効果。
●代価エネルギーについて。
・太陽光は初期コストが非常に高い。太陽熱でお湯を温めるレベルでは使えるが、それが主電力となる可能性は低い。・インバーターの技術が進歩すれば、太陽発電も魅力的か?
・中国の太陽パネル製造量(8分の1ギガワット)と石炭発電所(年平均50ギガワット以上)では差がありすぎる。
・風力発電は魅力で価格も下がっているが、天然ガスが天敵となっている。
・一部の風力施設が停止しても、複数からの発電があれば電力は安定する。
・電池の技術が進歩したのではなく、電池の市場が拡大しただけ。
●代価エネルギーのまた代価。
・ガソリン1ガロンのエネルギーは水素だと10ガロンになってしまう。・水素を液化すれば体積は同じになるものの、超低温が必要。
・自動車メーカーは本気で水素を普及させる気がない。
・電気自動車はバッテリー寿命が500回までだという事を隠している。本体を含めて、電池交換だけで何百万円の費用がかかってしまう。
・ハイブリット車は将来的に魅力のある市場である。
という簡単なまとめでした。